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2019年5月16日【エネルギー】

住友電工、高圧直流ケーブル事業を推進

NEXT MOBILITY編集部

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住友電気工業は、子会社のジェイ・パワーシステムズ(*1)がNEMO社(NEMO Link)から受注した、英国とベルギー間を結ぶ400kV直流XLPEケーブルシステムを完工、今年5月15日にNEMO社への引き渡しを行った。

 

また、北海道電力から受注した「北斗今別直流幹線」の250kV直流XLPEケーブルシステムの敷設工事を今年3月に完工した。

住友電気工業・ロゴ

現在、再生可能エネルギーの普及や国家・地域間連系線の建設の活発化により、高い技術力を求められる高圧直流海底・陸上ケーブルの需要が世界的に急増していると云う。

 

住友電工は今回、英国とベルギー間を結ぶNEMO LINK社向けに直流XLPE絶縁ケーブルでは世界最高電圧となる400kVのケーブルシステムを世界で初めて完工し、今回NEMO社へ引き渡しを完了した。

 

 

 

 

また、2012年に当時世界最高電圧の直流XLPEケーブルシステムとして運転を開始した北海道本州間連系線(北本連系線)に続き、国内2件目となる「北斗今別直流幹線」の250kV直流XLPEケーブル敷設工事を完了。工事は、海峡トンネル内の超高圧ケーブル敷設工事としては世界最長となると云う。

 

またこれらプロジェクトの他にも現在、インドで同国初の直流XLPEケーブルシステムの建設を進めている。

 

住友電工は、保有する特長・技術、並びに国内外のプロジェクトを通じて培ってきたマネジメント能力を活かし、同社は今後も需要の増加が見込まれる高圧直流ケーブル案件に積極的に取り組んでいくとしている。

 

 

 

 

[英国・ベルギー間400kV 直流XLPE海底ケーブルシステム完工について]

 

欧州では、エネルギーの効率的な活用と需給バランスの調整を目指し、出力が不安定な再生可能エネルギーを国家間で融通し合う国際連系線の構築が多数進められている。

 

その一環として、英国南東部のケント州と、ベルギーのゼーブルージュを結ぶ直流送電線建設プロジェクトが計画され、住友電工グループは2015年6月に英国National Grid社とベルギーELIA社の合弁会社であるNEMO Link社から欧州の国際連系線建設プロジェクトを受注。

 

プロジェクトでは、世界初となる400kV直流XLPE(*2)絶縁ケーブルが採用されている。

 

住友電工では、ケーブルの製造、敷設工事を終え、昨年12月に竣工セレモニーを実施。1月から商業運転を開始、5月に引き渡し手続きが完了した。

 

このシステム稼働により、近年国際連系線で主流である直流XLPE絶縁ケーブルでは最高電圧となる±400kVのケーブルシステムが世界で初めて実現した。

 

<案件概要>

 

– 送電容量:1,000MW
– ルート全長:141.5km(海底区間130km、陸上区間11.5km)
– 送電線路概要:全区間ケーブル
– 交直変換方式:自励式(VSC)
– 回線方式:Symmetrical Monopole、双極1回線

 

*1:ジェイ・パワーシステムズは、2016年に同社と送配電用電線・ケーブル及び電力機器事業を統合しており、現在は住友電工として受注・履行している。

*2)XLPE(Cross Linked Polyethylene)架橋ポリエチレン:従来、直流送電用ケーブルには高粘度油絶縁式(MI)ケーブルが使用されてきたが、XLPE絶縁ケーブルは許容運転温度が高く、環境保全性に優れている点から近年採用が加速。直流送電用XLPE絶縁ケーブルの商用線路の世界最高電圧は、同プロジェクトの完工までは320kVだった。

 

[北斗今別直流幹線の250kV直流XLPEケーブル敷設工事を完了について]

 

北海道と本州を結ぶ既存の北本連系設備(電源開発所有)に加え、より確実な電力の安定供給をめざし、新北海道本州間連系設備(新北本連系設備)の建設が北海道電力により進められてきた。

 

これにより、北海道と本州を結ぶ連系設備の容量は、60万kWから90万kWに増強され、今年3月28日から新北本連系設備の運転が開始されている。

 

新北本連系設備の特徴は、自励式変換器の採用と青函トンネル内へのケーブル敷設。住友電工は、送電線全⾧122kmのうち、地中送電区間24kmの250kV直流XLPEケーブルの納入、敷設工事を担当した。

 

今回の工事は、海峡トンネル内の超高圧ケーブル敷設工事としては世界最長。さらに、98㎞の架空送電区間の電線納入も担当し、送電線全区間の工事をサポートした。

 

<案件概要>

 

– 送電容量:300MW
– ルート全長:122km(地中送電区間24km、架空送電区間98km)
– 送電線路概要(地中送電区間):青函トンネル内にケーブル敷設
– 交直変換方式:自励式(VSC)
– 回線方式:Asymmetric Monopole、単極1回線

 

 

■NEMO LINK(英語):https://www.nemo-link.com/

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

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経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。