住友電気工業は、交通事故の未然防止を目的とした、安全運転支援システム用の歩行者用感知器を製品化し、出荷を開始した。
24GHzミリ波レーダの採用で、耐環境性能に優れ、独自のアルゴリズムを用いた高い歩行者検知精度と、広い検知エリアを実現したと云う。
住友電工はこれまでにも、交通事故の未然防止を支援するための、路車協調による安全運転支援システムを開発してきた。
例えば、交差点を右折する車両に対して、道路側に設置された感知器で検知した、横断歩道上の歩行者・対向車の存在情報を無線装置から提供し、画面表示や警告音でドライバーに注意喚起するサービスが、各都道府県警察によって運用されている。
今回住友電工は、既に発売している無線装置や車両用感知器に加えて、新たに歩行者用感知器を製品化、3月から出荷を開始した。
なお、同製品はこれまでに、大阪府警察を含む国内計5府県警察に納入されているとのことだ。
[製品の特徴]
○優れた耐環境性能
歩行者用感知器には、昼・夜の日照条件や、晴れ・雨の気象条件などの環境変化に強い24GHzのミリ波レーダを採用した。
○高い歩行者検知性能
ミリ波レーダでは、電波を送信し物体からの反射波を受信することで物体までの距離を測るが、搭載したアルゴリズムでは、反射波の特徴情報の解析から、歩行者を追跡して動きを予測する機能を実現。通過車両などで隠れた歩行者を検知できる。
○広い検知エリア
ミリ波レーダにとって、感知器直近の広い領域をカバーしつつ、検知可能な距離を伸ばすという両立には困難を伴う。
住友電工は、複数系統のアンテナと、それらを活用する信号処理技術を開発。感知器を横断歩道近辺の歩行者灯器柱に設置し、直近の待機エリアから大小さまざまな規模の横断歩道まで、歩行者を検知できる広い検知エリアを実現。設置の自由度を高めた。