住友商事と欧州住友商事(以下、住友商事グループ)は、昨年6月にイスラエルに設立したコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)の「IN Venture」を通じ、スマートフォンの位置・行動情報解析ツールを開発する「Anagog社」に出資した。
近年、スマートフォンアプリを通じて取得した位置情報を、マーケティングに活用する取り組みが活発化。モバイルマーケティングの市場規模は、2017年から年間平均で約20パーセント成長、2021年には320億ドルになるとも云われている。
Anagog社は、スマートフォンのアプリ上で機能し、GPSやWiFi、端末に搭載された加速度センサーなどを通じて取得したユーザー情報から、位置や行動、習慣、嗜好などが分析できる「Jed AI」を開発。その分析は端末内で行われ、ユーザーが許可した場合にのみ、匿名化した結果をアプリ事業者に送信すると云う。
イスラエルは、政府が起業や研究開発への支援プログラムを設けるなど、起業環境が整備されており、年間700~800社のスタートアップが設立されるとも云われている。また特にAI、サイバーセキュリティや農業、ヘルスケア分野等に強みがあり、多くのグローバル企業が拠点を設け、イノベーションの創出に取り組んでいる。
住友商事グループは、このイスラエルに昨年6月、グローバルに展開するCVCの5カ国目として、「IN Venture」を設立している。
[IN Venture概要]
– 設立:2019年6月
– 所在地:イスラエル国 テルアビブ
– マネージングパートナー:Eitan Naor, Eyal Rosner
– 名称の由来:「INnovation」、「INtegrity」、「INvestment」
■Anagog:https://www.anagog.com/