住友商事は、英国の欧州住友商事会社を通じ、ポーランドでバス・鉄道チケットのオンライン販売や民間バス事業者向けシステム提供、オンデマンド型バスサービス(注1)を手掛けるTeroplan社に出資した。
なお投資は、欧州住友商事会社におけるR&D投資支援制度(注2)を通じてのスタートアップ投資となる。
Teroplan社は、鉄道網などの公共交通機関の整備が不十分であるため都市間移動を民間バスに依存せざるを得ない中東欧・ポーランドにおいて、事業者約400社向けに運行管理・価格設定システム、一般利用者向けにルート検索システム(年間の検索回数2億回超)や、バス・鉄道チケットのオンライン予約・決済システム(年間300万枚チケット販売)を提供しており、さらに乗客の乗降データなどを解析してオンデマンド型バスサービスを展開。また、ポーランドと似た状況にあるセルビアやウクライナにも進出している。
住友商事グループは、Teroplan社への出資を通じ、ポーランドに留まらない中東欧におけるオンデマンド型バスサービスの横展開を図る。また、同社の事業基盤を生かして、地域で必要とされるカーシェアを追加するなど、地場に根差したモビリティサービスの普及、ならびに多様化に取組んでいく。
また、チケットのオンライン決済やオンデマンド型バスサービスによる指定先での乗降は、ソーシャルディスタンスを確保する施策としての側面もあるとして、Teroplan社と共に、社会のニーズに沿ったモビリティサービスの在り方を追求していくとしている。
注1:オンデマンド型バスサービス:乗り降りの場所や時間など、利用者の要求に柔軟に対応するバスサービス。
注2)欧州住友商事会社におけるR&D投資支援制度 : 欧州におけるイノベーションの担い手であるスタートアップ企業に対する出資のため2018年1月に導入された社内制度。
[Teroplan社の概要]
– 会社名:Teroplan S.A.
– 本社所在地:ポーランド クラコフ
– 設立年:2007年
– 従業員:約120名
– 主要株主:Wirtualna Polska Holding社他
– 事業内容:バス・鉄道チケットのオンライン販売、バス事業者向けシステム提供およびオンデマンド型バスサービス。
■Teroplan:https://www.teroplan.com/