住友商事は、未電化地域の生活環境改善と新たな分散型電源事業への参入を目的に、サブサハラ地域でミニグリッド(注1)事業を展開する「PowerGen社(WindGen Power USA/本社:ケニア共和国 ナイロビ)」に出資した。
サブサハラ地域は、人口密度が低く、大規模な発電所や送電線網の整備に時間を要しており、広範囲にわたる未電化地域には約6億人が居住、人々はロウソクや灯油ランプなどを使い生活をしていると云う。
PowerGen社は、太陽光パネル、蓄電池、配電系統、スマートメーターなどを組み合わせたミニグリッドを、数百程度の世帯が集まる未電化集落に構築し、安定的な電力を供給。ミニグリッドの案件開発から運用までを一貫して行い、2011年の設立以降、ケニア、タンザニア、ナイジェリア、シエラレオネを中心に、現在ではサブサハラ8か国で事業を展開。業界では群を抜く150件超のミニグリッド建設実績と、約15,000世帯の顧客を有していると云う。
なお、ミニグリッドの利用者は、冷蔵・冷凍庫や農業・産業用機械などの電力消費量が多い電気製品の使用も可能で、電気料金は、モバイル端末から電子決済で使用量相当分を支払う仕組みになっている。
住友商事は2018年10月に、インフラ事業部門 電力インフラ事業本部傘下に「Team New Frontier」を立ち上げ、電力ビジネスにおける新領域の開拓を推進。アフリカにおいてPay-as-You-Go(PAYG/注2)型のSolar Home System(注3)事業を展開する「M-KOPA Holdings」への出資に続く今回の参画で、未電化地域での新たな電力ビジネスモデルを構築。
世界中で取り組んできた電力ビジネスの知見・ノウハウと、グローバルでの強固なネットワークを生かして、PowerGen社のさらなる成長を後押しし、環境負荷の低い分散型電源の普及を促進することで、クリーンな循環型地域社会の実現に貢献していきたいとしている。
注1)ミニグリッド:kW規模の太陽光パネルと蓄電池を核として電力を供給する、電力系統から独立した電力システム。
注2)Pay-as-You-Go(PAYG): 従量課金制。支払った分だけ利用できる方式のこと。
注3)Solar Home System:家庭用の小型太陽光パネル・蓄電池に家電(照明、テレビ等)を組み合わせた商品。
[PowerGen社の概要]
– 会社名:WindGen Power USA, Inc.
– 所在地:ケニア共和国 ナイロビ(登記は米国 デラウェア州)
– CEO:Sam Slaughter
– 設立年:2011年
– 事業概要:
ミニグリッドに関するEPCビジネス、電力小売ビジネス、保守運用ビジネス、コンサルティングビジネス。