住友商事は、イギリス・ロンドン市の欧州住友商事(以下2社を総称し、住友商事グループ)を通じて、電気自動車(EV)のバッテリーを再利用した大型蓄電設備のプロバイダーである同国ニューカッスル市の「Connected Energy(以下、CE社)に出資参画した。
同件は、欧州住友商事におけるR&D投資支援制度(※1)を通じたスタートアップ投資となる。
再生可能エネルギーは、環境負荷の低減に寄与する一方で、出力が安定しないために送配電システムへの負荷が課題に。今後は、多様な分散型電源を組み合わせ、柔軟性の高い電力ネットワークを構築する必要性が高まるとされ、電力貯蔵も可能にする蓄電設備に期待が寄せられている。
蓄電設備は、非常時のバックアップのみならず、ピーク電力削減などによるコスト低減や、アンシラリーサービス(※2)による電力需給の安定化で、蓄電設備購入者へ新たな価値を提供する。
CE社は、EVバッテリーを二次利用し、産業用大型蓄電池を安価に製造するスタートアップ企業で、CE社の産業用大型蓄電池は、欧州ではEV充電設備、再生可能エネルギー発電所等11箇所の現場に導入されている。
住友商事グループは、CE社への出資を通じて、自動車産業とインフラ産業にまたがる新たな領域でのビジネス創出を加速。また、今後も革新的な技術を保有する企業への出資を通じて、社会のニーズの変化を捉え、世界の産業発展に寄与していくとしている。
※1)欧州住友商事におけるR&D投資支援制度:欧州におけるイノベーション(革新技術・サービス・ビジネスモデル)の担い手であるスタートアップ企業に対して、機動力を持った出資を実行すべく、2018年1月に導入した社内制度。
※2)アンシラリーサービス:周波数制御、需給バランス調整、系統運用など、供給電力の品質を調整するもの。
[会社概要]
– 会社名:Connected Energy LTD
– 所在地:英国 ニューカッスル市
– 事業概要:EVバッテリーを二次利用した産業用大型蓄電池の製造
– 主要株主:ENGIE New Ventures、Macquarie 他
– 設立年:2010年
– 従業員数:約20名
– HP(英語):https://www.c-e-int.com/