住友商事は、農業関連物流マッチングサービス「CLOW(クロウ)」の本格事業化に向け、実証実験を開始した。
国内の農業関連物流は、高齢化に起因する人手不足に加え、農産物を集荷場や卸売市場に農家自らが持ち込む、農業法人各社が大消費地への輸送を個別に手配するなど、効率化が求められている。
CLOWは、農家および農業法人のニーズとトラックの空車状況をクラウドに集約し、AIを用いて最適な輸送ルートを策定、農作物を出荷したい農家や効率的に輸送したい農業法人と輸送スペースを有効活用したい物流会社をマッチングするサービス。自家用トラックで運ばざるを得なかった農家に新たな物流の外注手段を、個別に物流を手配していた農業法人に共同配送による安価な物流システムを、また物流会社には新たなビジネスチャンスを提供すると云う。
今回、住友商事は、CLOWの今年度中の市場への試験導入を目指して、愛知県豊川市で実証実験を開始。協力先の東三温室園芸農業協同組合から提供される過去の農作物出荷データを基にCLOWが設定した集荷・配送ルートの効率性を日本通運の協力を得て精査し、アルゴリズムの蓋然性を検証すると共に、アプリケーションの操作性などについてヒアリングを行う。
また、京都府京丹後市においても、丹後王国ブルワリー(京都府京丹後市)の協力の下、実証実験を行う予定だ。
CLOWは、住友商事の社内起業制度「0→1チャレンジ2019(ゼロワンチャレンジ2019)」で、新規ビジネスの優れたアイデアとして選出された20代社員発案の案件。住友商事は、CLOWを通じて農業関連物流を効率化することで、農業・物流業界の課題を解決し、豊かな超高齢社会、持続可能な社会の実現に貢献していくとしている。