トヨタ自動車とスバル(SUBARU)は、両社の長期的提携関係のさらなる発展・強化を目指し、9月27日、新たな業務資本提携に合意した。
今回トヨタは、資本提携に関して、スバルへの出資比率を議決権比率20%に達するまで引き上げる。これにより、スバルはトヨタの関連会社となる見込み。一方、スバルもトヨタの株式を取得する。
両社は、2005年の業務提携の合意以来、スバルによるトヨタ車両受託生産や、トヨタからスバルへの車両供給、ならびにFRスポーツカー「TOYOTA 86」/「SUBARU BRZ」の共同開発などの協業に取り組んできた。
また、今年6月にはスバルのAWD(全輪駆動)技術とトヨタの電動化技術を活用した、EV専用プラットフォームおよびEV車両開発にも取り組むことで合意している。
両社は、各々のブランドの独自性を尊重しつつ、次のステージに向け、関係をより深いものに発展させ、結び付きを強化。CASE時代においても「走る愉しさ」を追い求め、力を合わせ、これまでのトヨタ、スバルを超える、もっといいクルマづくりを目指すとしている。
[業務提携の内容]
1)これまでのトヨタ、スバルを超える、もっといいクルマづくりの追求
①両社の強みを持ち寄り、最高に気持ちの良いAWDモデルを共同で開発。
②TOYOTA 86/SUBARU BRZ 次期モデル共同開発。
2)100年に一度の変革期を生き残るための協業拡大
①Crosstrek Hybrid(*1)に続き、他のSUBARU車へもTHS(トヨタハイブリッドシステム)の搭載を拡大。
②コネクティッド領域での協調、自動運転分野での技術連携。
*1:現在、北米市場のみ展開。Crosstrekは日本名 SUBARU XV
[資本提携の内容]
<トヨタによるスバル株式の取得>
■取得株式数
議決権比率20%に達するまでの株式数(2019年3月31日現在では24,289,500株(議決権比率3.17%))。
なお、本業務資本提携に基づく、トヨタによるスバル株式の取得により、トヨタの議決権比率は現状の16.83%から20%以上となり、スバルはトヨタの関連会社となる見込み。
■取得方法
市場買付け及び/又は相対取引を通じた買付け。
■取得時期
競争当局の承認が得られ次第取得予定。
<スバルによるトヨタ株式の取得>
左記のトヨタによるスバル株式の取得に要した金額と同額(800億円を上限とする)に相当する株式数。
■取得方法
市場買付け及び/又は相対取引を通じた買付け。
■取得時期
競争当局の承認が得られ次第取得予定。
今回の合意に際して、トヨタの豊田章男社長は、以下のように話している。
「100年に一度の変革の中、今後CASEの進展によってクルマの在り方が変わっても、『走る愉しさ』はクルマの本質であり、しっかりと守り続けるべきものだと思います。
私自身もラリーストであり、インプレッサで練習に励んでいた経験などから、スバルの素晴らしいAWDの技術を肌で感じてきました。また一方で、我々トヨタもWRCなどを通じAWDの技術を必死に磨いています。
『走る愉しさ』を追求してきた両社が、お互いの持つ強みを持ち寄り、更に関係を深めることで、CASEの時代に相応しい『もっといいクルマづくり』の可能性を追求していきたい」。
また、スバルの中村知美社長は、以下のように話している。
「当社とトヨタとの間には既に14年間におよぶアライアンスの歴史があります。その間、商品開発・生産・販売など各分野にて人的交流も含めた絆を深めてきました。
ここまで築き上げた両社の関係をもう一段ステップアップさせることにより、CASEなどへの対応力を強めるとともに、お互いに技術を磨き合いながら、両社の共通の想いである『もっといいクルマづくり』を加速させます。これはスバルが提供する『安心と愉しさ』という価値を高めることであり、必ずやお客様にも喜んでいただけることと信じています」。