KDDIは、5G時代における新たなコミュニケーションシーンの創出や空間コンピューティング (Spatial Computing) への取り組みに向けて、中国・北京のエンリアル社(nreal)と、XR技術(※)を活用したスマートグラスの企画開発および日本展開を共同で推進する戦略的パートナーシップを締結した。
今回締結したパートナーシップでは、エンリアル社が開発したスマートグラス「nreal light」をベースに、KDDIが国内利用に向けた対応をサポートする。
また、日本人が着用しやすいデザインへカスタマイズし、日本国内向けのスマートグラスとしての可能性について、実証実験を通じて検討。
さらに、今後の5G普及がもたらす変化を見据え、XR技術による時間と空間を超える体験の創出に向けて、6月以降、エンリアル社と共に、日本国内でさまざまなパートナー企業と協力しながら、スマートグラスを活用した実証実験を推進する。
今後の実証実験で使用する「nreal light」は、単体で使用するものではなく、スマートフォン、あるいは「nrealコンピューティングユニット」に接続することで動作。スマートグラス本体の重量を88gに抑え、52度の広い視野角を実現した他、稼働時間の延伸を実現している。また、位置トラッキングに対応したAR・VRアプリケーションが利用できる。
※)XR技術:AR(拡張現実)、VR(仮想現実)、MR(複合現実)などの一連の3D技術の総称。
今回の戦略的パートナーシップ締結にあたり、エンリアル社のCEOであるChi Xu氏は、次のように話している。
「スマートグラスは日本で近く大きな市場になるでしょう。我々は、日本における大手通信会社であるKDDIと、この領域で次世代の空間コンピューティングの実現に携われることを大変光栄に思っております」。
[nreal lightの主な特長]
本体に搭載された3基のカメラによって空間認識を行う。また、着用者が動き回った場合でも空間に表示された内容が固定されているように見える、「6DoF(Six Degrees of Freedom)」トラッキングが可能。
– 重量:約88g
– 対応視野角:約52度
– 搭載カメラ:3基
– 対応スマートフォン:Android 8.0以上
※SLAM(Simultaneous Localization and Mapping) 対応
[コンピューティングユニットの主な特長]
スマートグラス「nreal light」に接続して利用。チップセットにSnapdragon845を搭載し、重量は約170g。
[コントローラの主な特長]
スマートフォンとBluetooth接続し、スマートグラス上で表示されるアプリやコンテンツを操作することができる。
– 重量:約20g
– センサ:感圧センサ搭載
– 出力:ビルトイン230mAh充電式リチウムイオンバッテリー搭載。10時間の連続使用が可能。
– 接続方式:Bluetooth 省エネ型ワイヤレス接続
※3DoF(three Degrees of Freedom) 対応
■nreal(英語):https://nreal.ai/index