
ステランティスNVは2月20日(アムステルダム発)、ハンズフリーおよびアイズオフ(SAEレベル3)機能を提供する自社初の自動運転システム「STLA AutoDrive 1.0」を発表した。このSTLA AutoDriveは、 「STLA Brain(Electrical/Electronicアーキテクチャ)」および「STLA Smart Cockpit(車両向けアプリケーション)」と並んでステランティスの技術戦略の重要な柱であり、モビリティのインテリジェンス、自動化、ユーザーエクスペリエンスを進化させる存在となる。
STLA AutoDriveは、最高時速60 km (37mph) での自動運転を可能にし、渋滞時のドライバーの作業負荷を軽減し、貴重な時間を節約する。
特に人口密度の高い都市部での通勤に快適性を提供するSTLA AutoDriveにより、ドライバーは映画鑑賞、メールのチェック、読書、または単に窓の外を眺めるなど、運転以外の作業を一時的に行うことができ、それまで渋滞中に失われていた貴重な時間を取り戻すことができる。
このSTLA AutoDriveの提供にあたりステランティスの最高エンジニアリングおよびテクノロジー責任者を務めるネッド・キュリック氏は、「STLA AutoDriveは、ドライバーが移動時間を最大限に活用できるように支援することが最優先事項です。日常的な運転タスクを自動処理することで、STLA AutoDrive は運転体験を向上させ、運転時間をより効率的で楽しいものにします」と、その効果を端的に説明した。
なお、同システムはドライバーが使用する上でも、設計上に於けるプログラミングでもシンプルさが重視されており、同機能搭載車が走行中に交通状況と環境条件が一致すると判断した場合、ドライバーに STLA AutoDrive が利用可能であることが通知される。
それを認めたドライバーが物理ボタンを押して機能を起動させると、自動運転システムが運行制御を引き継ぎ、安全な距離を維持し、速度を調整し、交通の流れに基づいてステアリングとブレーキをシームレスに管理する。
以降STLA AutoDrive は、高度なセンサー類を介して周囲を継続的に監視し、夜間や小雨、道路の水しぶきなどの厳しい気象条件でも、高精度の認識と信頼性の高い動作を保証する。また一貫した自動運転のパフォーマンスを維持するために、自動のセンサークリーニングシステムによって重要なコンポーネントは常にクリーンな状態に保たれ、信頼性と機能性が最適化される仕組みだ。
こうした機能の信頼性について先のネッド・キュリック氏は、「ステランティスのエンジニアは、STLA AutoDrive を改良して、素早く自然に反応するようにしました。これにより、実際の状況でシステムがスムーズで予測可能で、人間のような感覚を実現しています。
安全な車間距離を維持する場合でも、合流する交通に適応する場合でも、システムはシームレスに動作し、自信を持ってストレスのない運転を実現します。
また高速走行時には、STLA AutoDriveはレベル 2 (ハンズオン) およびレベル 2+ (ハンズオフ、アイズオン) モードでアダプティブ クルーズ コントロールと車線中央維持機能を提供し、引き続き、特定条件下で一定の利便性を提供します。
スケーラブルなアーキテクチャ上に構築された STLA AutoDriveは、すぐに導入でき、ステランティス ブランドの車両全体にわたってグローバル市場に適応できるためスムーズな市場展開も保証されます。また、このシステムはクラウドに接続されているため、無線更新とリアルタイムのデータ統合による継続的な機能強化が可能になり、常にパフォーマンスが最適化されるという利点も享受できます」と語った。
なおSTLA AutoDriveは、サポート対象市場(地域)の適用法規に準拠している必要性があること。併せてドライバーは着席し、シートベルトを着用し、指示があればすぐに運転できるように準備しておく必要がある。また、電話の使用制限など、ドライバーの行動に関する地域の法律について、機能を使用するドライバーは尊重しなければならない。
最後にSTLA AutoDriveは、「STLA Brain」および「STLA Smart Cockpit」を介して進化するプラットフォームとして設計されており、継続的な研究と将来の進歩により、最高時速95km (59 mph) までの高速域に於いてもハンズフリーおよびアイズオフ操作が可能になったり、一部のモデルでオフロードでの自動化が強化・実装されるなどの可能性が秘められているという。