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2021年9月9日【政治経済】

緊急事態宣言、19都道府県で9/30まで延長

NEXT MOBILITY編集部

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菅内閣総理大臣は9月9日の記者会見で、19都道府県で「緊急事態宣言」を延長し、宮城県と岡山県では解除。また、「まん延防止等重点措置」については、新たに宮城県と岡山県を加えて8つの県を対象とし、期間を共に今月末の30日までとすると発表した。

 

なお、富山県、山梨県、愛媛県、高知県、佐賀県、長崎県の「まん延防止等重点措置」は、9月12日に解除されるが、飲食店の時間短縮、テレワークなどの感染対策は継続される。

 

<其々の措置が実施される区域と期間>

 

■緊急事態宣言
・沖縄県:5月23日~9月30日
・東京都:7月12日~9月30日
・埼玉県、千葉県、神奈川県、大阪府:8月2日~9月30日
・茨城県、栃木県、群馬県、静岡県、京都府、兵庫県、福岡県:8月20日~9月30日
・宮城県、岡山県:8月27日~9月12日
・北海道、岐阜県、愛知県、三重県、滋賀県、広島県:8月27日~9月30日

 

■まん延防止等重点措置
・石川県:8月2日~9月30日
・福島県、熊本県:8月8日~9月30日
・富山県、山梨県、愛媛県:8月20日~9月12日
・香川県、鹿児島県:8月20日~9月30日
・高知県、佐賀県、長崎県:8月27日~9月12日
・宮崎県:8月27日~9月30日
・宮城県、岡山県:9月13日~9月30日

首相官邸・ロゴ

今回の決定について菅総理は、全国で感染者数の減少傾向が見られるが、重症者数が高止まりしていること。また宣言の解除に関しては、病床使用率が50%を下回る必要があることや、重症者、新規感染者、自宅療養者の数が減少傾向にあること、ワクチン接種の効果などの総合的な検討も必要であるといった専門家による提言を踏まえて判断したと述べた。

 

また、新型コロナとの闘いに明け暮れることとなった総理就任後の1年について、繰り返される感染拡大への備えを固めつつもウィズコロナの社会経済活動を進める必要性や、ワクチンの効果に関して学んだと、その職務について振り返り、自民党総裁選挙が始まろうとはしてはいるが、コロナ対策と多くの公務を抱えながら総裁選を戦うことは困難であるとして、出馬を断念。

 

総理大臣として、この危機を乗り越え、安心と賑わいのある日常を取り戻す道筋を付けることに専念し、最後の日まで職務に全力で取り組んでいきたいと語った。

 

 

 

 

[新型コロナ拡大防止への取組み]

 

医療体制を確保し、治療薬とワクチンで重症化を防止

 

・病床、ホテルに加え、全国で酸素ステーション、臨時の医療施設など、いわゆる野戦病院を増設。自宅で療養者に対しては、身近な開業医が健康観察や入院の判断を行い、必要な医療が受けられる体制を作る。

 

・重症者を更に減らすため、既に2万人以上に使用され、東京都で投与から2週間が経過した420例の内、95%に効果が見られたとの報告がある中和抗体薬を、全ての必要な患者に投与できる体制を整える。

 

・10月から11月の早い時期の希望者全員へのワクチン接種完了に向けて、宣言等の地域であっても、ワクチンの接種証明や検査の陰性証明を活用し、制限を緩和。認証制度も使って、飲食、イベント、旅行などの社会経済活動の正常化の道筋を付ける。

 

 

 

 

[菅内閣の政策実績等]

 

・デジタル庁の創設と携帯料金の引下げ、最低賃金1,000円を目指す取り組み。

 

・不妊治療の保険適用に道筋、男性の育児休業の取得促進や40年ぶりの35人学級実現など、少子化対策。

 

・若者の負担を軽減を目的とした社会保障制度改革の第一歩として、一定以上の所得がある高齢者への医療費2割負担を実現。

 

・その他、ALPS処理水の海洋放出決定や憲法改正のための第一歩となる国民投票法の成立。日米同盟強化を目的としたインド太平洋構想の具体化。東京オリンピック・パラリンピックの開催など。

 

 

 

 

[菅総理発言の冒頭(全文ママ)]

 

本日、新型コロナ対策本部を開催し、19の都道府県の緊急事態宣言の延長を決定いたしました。期間は今月30日までとし、宮城県、岡山県の宣言は解除します。まん延防止等重点措置については、宮城県、岡山県を加え、8つの県を対象とし、期間は今月30日までとします。富山県、山梨県、愛媛県、高知県、佐賀県、長崎県については、9月12日をもって解除します。併せて、飲食店の時間短縮、テレワークなどの感染対策を継続することといたしました。

 

全国各地で感染者はようやく減少傾向をたどっておりますが、重症者数は依然として高い水準が続いております。昨日の専門家による提言では、宣言の解除に関する考え方が示されました。病床使用率が50パーセントを下回っていること、重症者、新規感染者、自宅療養者の数が減少傾向にあること、ワクチン接種の効果などを総合的に検討することとされ、これを踏まえ、判断いたしました。

 

私自身が内閣総理大臣に就任して1年がたちますが、この間、正に新型コロナとの闘いに明け暮れた日々でした。国民の命と暮らしを守る、この一心で走り続けてきました。今日まで大変な御尽力を頂いております医療、介護を始めとする関係者の皆さん、国民の皆さん、お一人お一人の御協力に心から感謝申し上げます。本当にありがとうございました。
 新型コロナという見えない敵との闘いは、暗いトンネルの中を一歩一歩手探りで進んでいくことにも似た、極めて困難なものでありました。救急車の音を聞けば、必要な医療が届いているのか、飲食店や観光業の皆さんのなりわいや暮らしは大丈夫か、そうした不安を何度も感じてきました。そのたびに現場の声を聞き、専門家の御意見を伺い、国民にとって最善の道はどれなのか、担当閣僚とも議論を尽くし、決断してきました。

 

ウイルスは変異を繰り返し、世界でいまだに猛威を振るっています。パネルが示すとおり、日本においても何度となく感染の波をもたらしてきました。この1年の間、皆さんとともに闘い続けてきた結果、多くのことを学びました。その一つは、ウイルスの存在を前提に、繰り返される新たな感染拡大への備えを固め、同時に、いわゆるウィズコロナの社会経済活動を進めていく必要があるということです。
 もう一つは、ワクチンは効くということです。世界の激しい獲得競争の中で、4月の訪米で、全ての国民の分を何とか確保し、5月の連休明けには本格的な接種を始めました。6月は1日平均110万回、そして7月は150万回、8月は120万回、予想を上回るペースで進み、1億4,000万回を超えました。パネルにありますように、欧米諸国と比べても早いペースで接種が進んでいます。今月末には、全国民の7割の方が少なくとも1回の接種を、6割の方が2回の接種を終え、現在の各国と同じ水準になると見込まれています。

 

デルタ株による感染拡大の中でも、2回接種を済ませた方の感染は、接種していない方の13分の1でした。最も重症化リスクの高い高齢者の約9割が2回接種を終えたこともあり、その重症者、死亡者数は極めて少なくなってきています。パネルが示すとおり、今回の感染拡大を前回と比較すると大きな変化が見られます。感染者は2.9倍に増えたのに対し、重症者は1.6倍にとどまり、死亡者は6割減少しています。ワクチン接種が進むことで状況は全く異なったものとなり、戦略的な闘いができるようになっているのです。今回の感染拡大では、感染者を10万人、死亡者を8,000人減らすことができたとの試算も、厚生労働省より示されています。1日100万回接種の目標を非現実的と疑問視する人もいましたが、ワクチン接種加速化の取組は間違いではなかった、そのように信じております。

 

新型コロナ対策が最優先、この秋の政治日程について問われるたびに私はそのように申し上げてきました。そしてそのとおりに全力を尽くし、足元の感染はようやく減少傾向にありますが、収束にはいまだ至っておりません。こうした中で、自民党総裁選挙が始まろうとしております。今も入院中の方や、自宅で不安な気持ちで過ごされている方が大勢いらっしゃいます。新型コロナ対策と多くの公務を抱えながら総裁選を戦うことは、とてつもないエネルギーが必要です。12日の宣言の解除が難しい、そうした中で覚悟するにつれて、やはり新型コロナ対策に専念すべきと思い、総裁選挙には出馬しないと判断いたしました。

 

今、総理大臣として私がやるべきことは、この危機を乗り越え、安心とにぎわいのある日常を取り戻す、その道筋を付けることであります。

 まずは医療体制をしっかりと確保し、治療薬とワクチンで重症化を防いでまいります。病床、ホテルに加え、全国で酸素ステーション、臨時の医療施設など、いわゆる野戦病院を増設していきます。自宅で療養する方々には、身近な開業医が健康観察や入院の判断を行い、必要な医療が受けられる体制を作ります。

 中和抗体薬は既に2万人以上に使用され、目覚ましい効果を上げております。東京都では、投与から2週間が経過した420例のうち、95パーセントに効果が見られたと報告されております。重症者を更に減らすために、全ての必要な患者に投与できる体制を作っているところです。

 10月から11月の早い時期には、希望者全員のワクチン接種が完了する予定です。それに向けて、宣言等の地域であっても、ワクチンの接種証明や検査の陰性証明を活用し、制限を緩和していきます。認証制度も使って、飲食、イベント、旅行などの社会経済活動の正常化の道筋を付けてまいります。そしてその間も影響を受けておられる方々の事業と雇用、暮らしを守るための支援に万全を期してまいります。

 

これまでの一連の対応を通じ、感染症対策に関する様々な問題が浮き彫りになりました。病床や医療関係者の確保に時間がかかる、治療薬やワクチンの治験や承認が遅く、海外よりも遅れてしまう、緊急時でも厚労省を始め省庁間の縦割りや、国と自治体の壁があって柔軟な対応が難しい、こうした課題を整理してまいります。

 

国民にとって当たり前のことを実現したい、この1年、そうした思いで長年の課題に挑戦をしてきました。

 2050年のカーボンニュートラル、デジタル庁の設置により新たな成長の原動力は力強いスタートを切りました。また、お約束をした携帯料金の引下げはすぐに実行され、家計の負担が4,300億円軽減されております。最低賃金は全国1,000円を目指して取り組み、過去最高の上げ幅を実現し、930円となりました。

 少子化対策も待ったなしの課題であります。不妊治療の負担で共働きの1人分の給料が消えてしまう、そうした声に応え、所得制限をなくし、不妊治療の保険適用にも道筋を付けました。男性の育児休業の取得促進や40年ぶりの35人学級も実現することができました。孤立・孤独に苦しむ方に手を差し伸べたいとの思いで、担当大臣を据え、困難にある方々と行政の架け橋となるNPOへの支援も拡充しました。

 避けては通れない課題にも果敢に挑戦しました。若者の負担を軽減し、全ての世代が安心できる社会保障制度への第一歩として、一定以上の所得がある高齢者に医療費の2割負担をしていただく改革も実現しました。

 ALPS処理水についても、安全性の確保と風評対策を前提に海洋放出を判断しました。

 憲法改正を進める第一歩となる国民投票法も、成立させることができました。

 外交・安全保障の分野でも、基軸である日米同盟のさらなる強化を図り、その上で自由で開かれたインド太平洋構想の具体化に向け、同志国・地域との連携と協力を深めることができました。

 そして、東京オリンピック・パラリンピックです。この夏の開催には様々な意見もありましたが、招致した開催国として責任を果たし、やり遂げることができました。選手たちのすばらしいパフォーマンスは、多くの人々に感動をもたらし、世界中に夢や希望を与えてくれました。さらに、障害のある人もない人も助け合って共に生きる共生社会の実現に向けて、心のバリアフリーの精神を発信することもできたと思っています。

 

内閣総理大臣として、最後の日まで全身全霊を傾けて職務に全力で取り組んでまいります。国民の皆さんの御理解と御協力をお願い申し上げます。

 

 

 

 

■(首相官邸)新型コロナウイルス感染症に関する菅内閣総理大臣記者会見(9月9日/動画有):https://www.kantei.go.jp/jp/99_suga/statement/2021/0909kaiken.html
■(首相官邸)新型コロナワクチンについて:https://www.kantei.go.jp/jp/headline/kansensho/vaccine.html
■(首相官邸)新型コロナウイルス感染症に備えて ~一人ひとりができる対策を知っておこう~:https://www.kantei.go.jp/jp/headline/kansensho/coronavirus.html

■(内閣官房新型インフルエンザ等対策室)新型インフルエンザ等対策:http://www.cas.go.jp/jp/influenza/index.html

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。