損害保険ジャパン(以下「損保ジャパン」)は、業務上発生するトラブルの解決のために要する弁護士費用を補償する「争訟対応費用保険」について、さまざまな業種に対して販売を開始すると12月18日発表した。
本保険の販売を通じて、複雑化するビジネス環境の中で発生する法的トラブルに対して、公正な解決手段を用い、事業者が安心して事業を営める環境を提供するとしている。
1.本保険の開発の背景
デジタル技術の進歩によるサービスの高度化、新型コロナウイルスの影響による取引の急速な非対面化や消費者ニーズの変化等、近年のビジネス環境は急激に変化し複雑化している。こうした環境において、事業者の皆さまと取引先や顧客、その他の関係者とのコミュニケーション等も複雑になり、さまざまなトラブルが発生する恐れがある。
これらのトラブルの中には、事業者自身で解決できず、専門家の支援が必要なものであるにもかかわらず、周囲に相談できる専門家が存在しないなど、適切に対応できないケースもあり、トラブルによる被害に泣き寝入りを余儀なくされる実態もある。
こういった背景を踏まえ、事業者に契約内容に関する紛争や詐欺被害等のトラブルが発生した場合に、その公正な解決に向けて、弁護士への法律相談や法的対応支援を受けるために要する費用を補償する保険を開発。2020年4月から、建設業者向けに先行販売を実施し、一定のマーケットニーズも確認できたため、販売対象業種を拡大して販売を開始するという。
2.保険の概要
(1)補償内容
業務に関連して法的トラブルが生じた場合に、その対応に関する法律相談や法的対応の支援を依頼するために要する弁護士費用に対して保険金を支払う。
保険金の支払い対象となる主な事例
・契約関係
取引先との売買契約に関して、その契約条件の認識に食い違いが生じ、想定外の不当な要求を取引先から受けているため、その対処方法について弁護士に相談した。
・債権回収
取引先への売掛債権について、何度も督促しているものの長期間代金が支払われないため、弁護士に支払い交渉について相談し、その対応を委任した。
・詐欺被害
業務に関連して詐欺被害に遭い、その詐欺による被害額を回収するために弁護士に相談し、その対応を委任した。
(2)販売対象
建設業、製造業、小売業等の幅広い業種の事業者、主に中小事業者。