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2024年6月10日【テクノロジー】

AI教習所ら、高齢運転者の人間ドック実現を共同研究

NEXT MOBILITY編集部

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近年、自動車の運転を取り巻く社会環境は大きく変化してきた

 

AI教習所 と損害保険ジャパンは6月10日、高齢ドライバーが自身の運転技能を自己チェックできる「運転の人間ドック実現」に取り組むことを明らかにした。ちなみにAI教習所とは、より安全な交通社会の実現を目指して南福岡自動車学校を運営するミナミホールディングスとティアフォーとで設立した合弁会社。

 

またティアフォー( TIER Ⅳ )は、自動運転を民主化を目指して世界規模でオープンソースの自動運転ソフトウェアである「Autoware( Autowareは、The Autoware Foundationの登録商標 )」を開発・提供する自動運転ベンチャーだ。

 

さて近年、〝高齢ドライバーやペーパードライバーの増加〟、〝物流・運送業界でのドライバー不足〟、〝運転免許返上に伴う移動弱者の増加〟、自動車の運転そのものに興味を示さない〝若年層のライフスタイルの変化〟など、自動車の運転を取り巻く社会環境は大きく変化してきた。

 

両社は、こうした新たな交通問題に真正面から対応するべく、まずは正しい運転評価に基づく運転技能の自己チェックを自ら検証できる新しいソリューションの開発に取り組むべく、両社で共同研究に係る契約を締結した。

 

昨今は、高齢ドライバーの交通事故について、2022年5月の道路交通法改正を経て、新たな運転技能検査が導入されるなど法令対応は着実に進められてきたいる。しかし、それでも現段階では事故を未然に防ぐための具体的な取組みについて不十分な状況に映る。

 

最も大切なのは、自身の運転状態を客観的に把握することにある

 

またそもそも、ここ数年に亘って批判の槍玉に挙がっている高齢ドライバーだけに限らず、本来は、広く交通事故へと繫がる発生要因を撲滅するためには、個々の運転者自身が自らの運転に係る認知機能や運転技能の状態を、客感的に把握することが重要だ。

 

ドライバーの誰もが、自身の運転の仕方についての長所や短所を正確に把握し、それに則した機能維持や技術向上のトレーニングを行うことは、例え若年ドライバーであっても、また高齢ドライバーであったとしても、今後も、できるだけ長く安全運転を続けるという意味で、最も重要なことであるといえるだろう。

 

そこで、AI教習所の「自動運転およびAI技術」と、損保ジャパンの「テレマティクス技術」など、両社が持つデータやノウハウを共有することで、個々のドライバーの安全運転を続けて行くこと支援。

 

そのための精度の高い運転診断と、それを知った〝気づき〟の上で、行動変容へ繋がる効果的なトレーニング手法やカリキュラムを開発することに取り組むべく、両社による共同研究契約を締結。具体的には以下の研究活動を介して、〝安全運転〟に係る課題の抽出と、その解決策の提案を目指していくとした。

 

上記を踏まえた、より具体的な研究内容と目的は以下の通り

 

複合視点による運転評価に基づき、高齢者を含む個人や、物流・運送業界等の法人ドライバーの運転寿命延伸や安心・安全な運転ができる環境を構築することを目指す、「運転の人間ドック」構想の実現に向けた実証実験計画の策定・実行を共同で行う。

 

また、エコシステムの一環として、医療などの関係者が連携し、運転者の健康状態や運転能力を総合的に評価し、適切なサポートやトレーニングを提供することで、安全運転の継続を促す環境形成を目指す。

 

目的達成を目指すための両社の役割は以下の通り

 

■AI教習所

・AI 教習システムを活用した、運転技能に関わる各種データの収集・提供および運転トレーニング手法の開発。
・全国の教習所との連携による、車両および実証実験場の提供。

 

両社は今後、パートナーとしての連携を深め、様々なセンシング技術を活用して収集したデータを複合的に検証し、ドライバーの属性に応じた課題解決に取り組んでいく。

 

また、蓄積されたリアルデータを利活用することで、個々のドライバーに合わせた、より精度の高い運転評価方法の開発と、その評価に基づいた効率的でパーソナライズ化されたトレーニングを提供し、安全運転の継続を促すエコシステムを形成していきたいとしている。

 

 

■損保ジャパン

・テレマティクス技術を活用したドライブレコーダー等の安全運転支援サービスを通じた、運転挙動に関わる各種データの収集・提供。
・グループ連携や幅広い業種との接点を活用した、さまざまな属性の実証実験参加者の募集・提供。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。