双日は、鉱山会社のBHPおよび三菱商事と、両社子会社が折半で保有する豪州の製鉄用原料炭鉱グレゴリー・クライナム炭鉱権益の100%を、100百万豪ドルで、取得することで合意した。
双日は2010年12月、同社連結孫会社の双日コールマイニング社(Sojitz Coal Mining:SCM)を通じて豪州・ミネルバ炭鉱の炭鉱経営に進出。
その後、近隣炭鉱のミティオ・ダウンズ・サウス(MDS)の開発運営に参画し、日本の商社で唯一のオペレーターとして炭鉱経営を行ってきた。
今回の権益取得は、ミネルバおよびMDS炭鉱の操業機能を活用するとともに、世界的な環境意識の高まりや長期的な事業の持続性の観点から、一般炭に偏重した双日グループの石炭資産をリバランスし原料炭の事業を強化することを目的としているとのことだ。
グレゴリー・クライナム炭鉱は、2016年1月から操業を停止しているが、すでに十分な原料炭の資源量が確認されており、正式な取得手続きが完了次第、早期に操業を再開する予定だとしている。
また同社は、グレゴリー・クライナム炭鉱のインフラを活用した周辺炭鉱の操業請負事業等、既存の操業事業に留まらず、資源価格の変動に晒されない事業展開を目指すとしている。
なお、今回の権益取得に伴い、法制上の鉱山リハビリテーション(自然環境の修復や緑化、以下、リハビリ)義務が双日に移転。
双日は新たに子会社を設立し、BHPおよび三菱商事から提供される適切なリハビリ資金も活用し、グレゴリー・クライナム炭鉱のリハビリを確実に進めると共に、周辺炭鉱のリハビリの請負事業や、リハビリ跡地での太陽光発電等、環境保全に資する新たな事業展開を通じて、地域経済の発展と地球環境の保全の両立を図る、持続可能な社会の実現に取り組んでいくとしている。