ソフトバンクは12月10日、パシフィックコンサルタンツとの協業により、交通手段(自動車※、鉄道、飛行機)や経路を含めた人の移動に関する統計データ「全国うごき統計」の提供を開始した。
※高速道路を走行する自動車が対象。今後、一般道路を走行する自動車にも対象範囲を拡大予定。
「全国うごき統計」は、パシフィックコンサルタンツが保有する都市計画や交通計画などの社会インフラに関する知見やノウハウと、ソフトバンクの携帯電話基地局のデータを基にした、数千万台の端末の位置情報データ(十分に匿名化したもの)を融合した人流統計データである。位置情報データを、鉄道などの各種交通機関の利用状況や、各エリアにおける人口などの統計データと掛け合わせて、人の移動に関するデータを高い精度で全国約1.2億人の人口に拡大推計して提供する。
近年、複雑に変化する社会課題の解決に向けて、あらゆる分野においてデータに基づいた的確な対応が求められている。ソフトバンクとパシフィックコンサルタンツは、人の移動に関するデータを可視化することにより、都市計画・開発などのまちづくりや災害対策、飲食店などの出店計画、観光地の活性化、自動運転バスなどの新たなモビリティサービス導入の支援などを通して、社会課題の解決や産業の活性化に貢献することを目指す。
「全国うごき統計」で提供するデータには、人がどこから出発して(Origin)、どこへ移動したか(Destination)を把握できるOD量と、特定の鉄道駅間や高速道路のインターチェンジ間を移動した人数などを把握できる断面交通量の2種類があり、特定の日にちや月の平均値のデータを提供することが可能。
なお、携帯電話基地局のデータを基にした位置情報データは、個人が特定できないように匿名化し、統計的に処理されたものを利用している。
◾️「全国うごき統計」で提供するデータ
1. OD量
・メッシュOD量
指定したメッシュ区画(全国を1キロメートル四方に区切った区画)を発着点として、別のメッシュ区画から移動した人数、または別のメッシュ区画まで移動した人数を、交通手段ごとに推計して提供。
・交通施設OD量
お客さまが指定した高速道路のインターチェンジや鉄道の駅、空港(以下「交通施設」)間を発着点として、別の交通施設から移動した人数、または別の交通施設まで移動した人数を、交通手段ごとに推計して提供。
2. 断面交通量
特定の二つの交通施設間を結ぶ経路を移動した人数を、時間帯ごとに推計して提供。隣接する高速道路のインターチェンジ間を自動車で移動した人数と、隣接する駅間の鉄道の利用者数、また特定の区間における飛行機の利用者数を把握することが可能。
今後、ソフトバンクとパシフィックコンサルタンツは、人の移動に関するデータを経済活動・各種インフラ・天候などに関するデータや各種サービスと組み合わせて、さらに有効活用することで、社会課題の解決などに貢献することを目指す。
◾️提供するサービスのイメージ
メッシュOD量
<利用シーンの一例>
交通手段ごとに人の移動状況の変化を把握できるため、新型コロナウイルス感染症対策の検討などに活用できる。
交通施設OD量
<利用シーンの一例>
乗り換えを含めた電車の利用状況などを把握できるため、駅の改良計画などに活用できる。
断面交通量
<利用シーンの一例>
時間帯ごとの電車の利用状況などを把握できるため、混雑緩和の施策の検討などに活用できる。
※データはCSVファイルで提供。