コミュニティバスを自動運転化に向けて、技術面、事業面、社会受容性を検証
鳥取市(鳥取市次世代モビリティ推進会議<国土交通省の地域公共交通確保維持改善事業費補助金に採択>)、WILLER(ウイラー)、TIER Ⅳ(ティアフォー)、日の丸自動車、日本交通バス営業部の 5者が連携。鳥取市の中心部で自動運転サービス導入を見据えた実証実験を12月12日~24日に実施する。
今回、実証の舞台となる鳥取市は約765㎢と広大な面積を有し、地域交通の中核を路線バスが担っている。しかも少子高齢化が進み運転手の高齢化や人員不足が課題となってもいる。従って当地行政区では、持続可能な地域交通を構築するべく新しいモビリティの導入やバスターミナルを含む鳥取駅周辺のアクセスの再整備など、公共交通の利便性向上を熱心に推し進めている。
そこで持続性の高いサービスを構築する手段のひとつとして公共交通の自動運転化を見据えており、2021年度には鳥取砂丘周辺で自動運転車の観光サービスの構築を定義。更に2023年度には鳥取市街地で年間30万人が利用する100円循環バス「くる梨」(コミュニティバス)の自動運転実証を実施した。
今実証では昨年度の結果を踏まえ、2025年度にルートの一部の自動運転レベル4認可取得に向け、試乗ルートと技術検証ルートを走行。自動走行の精度向上を目指すと共に、事業性面・社会受容性面の取り組みも実施していく構えだ。なお、この度の実証実験に係る主な実施ポイントは以下4点となる。
- (1)地域住民が利用し易いルートを運行。自動運転を親子で学べる機会を創出して社会受容性を高める。
- (2)9か所の信号連携と2か所の路車協調により自動運転率の向上を目指す。
- (3)夕刻の薄暗い時間帯を運行し、夜間運行に向けた検証を行う。
- (4)運賃収入以外の事業性創出を図るべく車体広告掲示やアンケート収集を実施。持続可能なビジネスモデルを検討する。
なお参画6者は今後も、WILLERのバス事業で培った交通事業者としてのノウハウと、ティアフォーの自動運転技術との連携を通じて、地域課題の解決を目指す。
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<自動運転バス一般試乗会予約について>
- 日程: 12月13日(金)~12月24日(火) ※12月16日と17日は運休
運行スケジュール: 11:25~17:27のうち、最大7便
※詳細は特設サイトを確認されたい。
- 運行ルート:
(1)試乗ルート:約4.8㎞
(鳥取バスターミナル~若桜街道~裁判所前~鹿野街道~錦通り~若桜街道~鳥取バスターミナル)
※乗車は鳥取バスターミナルのみ(地図出典:Google)
- (2)技術検証ルート:約4.6km
(鳥取バスターミナル~若桜街道~裁判所前~鳥取城跡~鳥取県庁~若桜街道~鳥取バスターミナル)
※試乗無し(地図出典:Google)
- 予約:特設サイトより予約されたい。※天候などにより運休となる場合もある。
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<自動運転のしくみ>
(1)LiDAR
レーザーによる歩行者、他車両など障害物の検知と、障害物との距離計測をする。
(2)遠隔監視用カメラ
車内外の走行中の様子を撮影する。
(3)物体認識カメラ
検知した障害物が人なのか、物体なのかを認識する。
(4)信号認識カメラ
信号の灯色情報を認識する。
(5)レーダー
電波を使用して障害物検知や障害物と車両の距離計測をする。
<車両スペック>
車両:ティアフォー製Minibus
車両定員:25名
(実証では着座のみ試乗者13名+運行関係者で運行)
サイズ:全長7.20m/全幅2.30m/全高3.06m
車両重量:6,730kg
<鳥取市次世代モビリティ推進会議>
・委員:
- 公共交通事業者:日ノ丸自動車株式会社、日本交通株式会社 バス営業部、
有限会社サービスタクシー - 公共交通関係団体:一般社団法人鳥取県バス協会、一般社団法人鳥取県ハイヤータクシー協会
- 観光関係団体:一般社団法人麒麟のまち観光局
- 学識経験者:鳥取大学工学部 社会システム土木系学科
- 国:国土交通省中国運輸局鳥取運輸支局
- 県:鳥取警察署交通第一課、鳥取県輝く鳥取創造本部 中山間・地域振興局交通政策課
- オブザーバー:国土交通省中国運輸局、国土交通省中国地方整備局 鳥取河川国道事務所、経済産業省中国経済産業局 地域経済部デジタル経済課、鳥取県警察本部交通部交通企画課
- 運行管理:WILLER株式会社
・事務局:鳥取市都市整備部交通政策課