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2023年12月18日【政治経済】

シンガポール、AI搭載の救急車両が緊急医療現場で活躍

坂上 賢治

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シンガポールのヘルスケア技術企業メディウェーブ社は(12月17日・シンガポール発)、シンガポールの国家病院前救急救急車サービス「1990 Suwa Seriya」と提携し、人工知能(AI)を組み合わせて人の生命を守る救急医療を行っていると発表した。

 

そのために同社は人工知能(AI)を統合させた緊急対応スイート「Mediwave Emergency Response Suite」をシステム構築。同技術を活用したコネクテッド救急車をリリースした。

 

この緊急対応スイートは、人の生死を左右する限られた時間内に於いて、Microsoft HoloLens(マイクロソフト・ホロレンズ)を利用することで緊急医療に於ける重要プロセスをデジタル化。医療行為に係る手順の効率性を高め、限られた時間内でも専門的なケア手順をリモートで示唆するもの。

 

より具体的には、最新のインターネット(IoMT)環境を介した拡張現実(AR)機能を活用。救急車で現場に急行する救急医療技術者 (EMT) は、緊急指揮制御センター (ECCC) の医師とリモートで接続。双方でバイタル サインを監視しつつ、的確な医療情報や手順を共有していく。

 

このシステムによって救急車が、病院に到着する前に専門的な事前ケアを完了させ、緊急医療が求められる時間帯に於いても高度な医療品質を維持する。

 

既にシンガポールの緊急医療サービスは、緊急対応に係る医療行為に要する処置時間で1分38秒という対応能力を誇っているが、新たな救急技術を学んだ先鋭隊員はARシミュレーションを使用した訓練を背景に、その技術に磨きを掛けた。

 

また同システムは、緊急医療行為の言語による情報も音声からテキストへトランスクライバー(AI筆記)を使用して電子患者治療記録 (ePCR) 化し、救急治療室での遅延を排除。不要な人的ミスを最小限に抑え込むという。

 

このMediwave Emergency Response Suiteについてメディウェーブ社のスレン・ピントCEOは、「私たちは、スリランカの唯一の病院前救急車サービス〝1990 Suwa Seriya〟に技術提供していることを心から誇りに思っています。

 

我々のAi技術と、優れた医療技術持つベテラン隊員とのコラボレーションにより、緊急医療サービスの効率性を向上させたことは、この種の医療緊急対応システムとしては初の試みとなります」と述べた。

 

またスリランカのコロンボで行われた同協業結果の報告イベントで、保健大臣を務めるラメシュ・パティラナ博士は、「現在、〝990 Suwa Seriya〟で322台の救急車を運行していますが、この新たな取り組みは緊急医療に於けるパラダイムシフトを示すものとなりました。

 

それは緊急対応システムの先例となるもので、これからの世界でAIと複合現実が果たす変革の可能性を示しています。今後は、メディウェーブ社のテクノロジーを活用することで同サービス網を拡大させ、より広域に緊急医療を提供できるよう取り組んでいきます」と語っている。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。