シナネンホールディングス 代表取締役社長 山﨑 正毅(左)、WiTricity CEO Alex Gruzen(右)
シナネンホールディングス(本社:東京都港区、代表取締役社長:山﨑 正毅)は、EV(電気自動車)のワイヤレス充電システムを開発・製造するWiTricity Corporation(ワイトリシティ コーポレーション/本社:アメリカ・マサチューセッツ州、CEO:Alex Gruzen)と、オフィシャルパートナー契約を締結したことを明らかにした。
なおWiTricityは、マサチューセッツ工科大学(MIT)でEVのワイヤレス充電技術を開発していた研究室のメンバーがスピンアウトし、2007年に設立した先端技術企業。
同社のワイヤレス充電システム「WiTricity Halo™」は「磁界共鳴方式」を採用し、地上に設置された送電パッドと、EVに取り付けられた受電パッド(レシーバー)との間で、磁界を共鳴させることで電力を供給する。
EVと充電機器とをコードでつなぐ必要がなく、EVを送電パッドの上に停車させ、エンジン(パワースイッチ)を切るだけで、自動で給電が開始される。
標準伝達電力は11kwで、ケーブルが必要なレベル2充電システムと同等の電力転送効率、充電時間で充電が可能。車両側レシーバーは、PHEV、BEVなどに適用できます。既存のEVへの後付けも車種によっては可能だ。
また、V2H(Vehicle to Home)やV2G(Vehicle to Grid)の技術を用いて、常にEVをワイヤレスで繋げておくことで可能にする分散電源・非常電源としての活用の他、将来は充電装置を道路内に埋め込んで設置することによる、走行中充電も期待できるとしている。
そんなWiTricityとオフィシャルパートナー契約を締結した日本企業はシナネンホールディングスが初めてとなる。ちなみにシナネンホールディングスがWiTricityと事業契約を結んだのは2度目。
既に両社は去る2023年6月、日本市場でWiTricityブランドの製品販売を展開するため、WiTricityとの間で協力関係の構築に関する基本合意を締結済。
今後は、日本に於けるWiTricityの事業パートナーとして、シナネンホールディングス傘下のシナネンが、WiTricity製品の日本国内への輸入から一般向けへの販売業務などを目指す。
またシナネンおよびグループ会社のリソースを活用し、既存EV車両へのレシーバーの設置、ウォールボックスおよび送電パッドを兼ね備えた充電場所の設置・普及等にも取り組んでいく。
これからはシナネンが中心となり、ワイヤレス充電システムの実装に必要な許認可の取得等に向けた関係省庁との交渉、業界団体の設立等に取り組む予定。
シナネンでは、国内に於けるWiTricityのライセンシーも含め、ワイヤレス充電システムの普及を目指す企業とも連携することで、WiTricityのワイヤレス充電システムの日本展開をさらに加速させていくという。