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2024年11月25日【イベント】

昭和レトロカー万博2024、大阪・吹田市で開催

坂上 賢治

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2024年11月30日に開催 昭和の懐かしいレトロカー約400台が集結

 

昭和レトロカー万博実行委員会は11月30日、大阪「万博記念公園」東駐車場で「昭和レトロカー万博2024」を開催する。

 

このイベントは、往年の名車・希少な絶版車両などのレトロカー約400台が一堂に会する関西地方最大級のレトロカーイベントとなる。古き良き昭和の名車を懐かしみ、車両オーナーと交流することもできる。

 

開催は今年で6回目、レア度・注目度の高い特別展示車両、来場者による投票で選ばれる各種アワード、石油発動機運転会、掘り出し物満載のフリーマーケットなどが愉しめる。

 

主なイベントコンテンツや注目車は以下の通り

 

 

子供も大人も大興奮!日本初のデコトラはしご車搭乗体験
家族で愉しめ、子供達が消防ハシゴ車に乗ることができる搭乗体験が実施される。中古トラック販売を手掛ける片岡オートの日野製消防車を、豪華な電飾やメッキホイールでデコレーション。

 

日本初のデコトラはしご車として登場したアトラクション。昼も夜も輝くLEDランプと迫力のあるV8エンジンサウンドも楽しめる。搭乗体験は午前と午後に分けて行い、それ以外の時間帯には自由に運転席に座ったり、キャビンの上に登ることも可能となっている。

 

四輪車両・展示エリア
四輪車両展示エリアでは、1979年以前の味わい深い「レトロカー」と、1980年から2000年までの「ネオクラシックカー」の2つの区分けでオーナー車両が展示される。

 

 

例えば残存1台と言われる西工ボディ製のいすゞのキャブオーバー型バスKL-LV280N1などがある。年式は2000年と比較的新しいがレア度は高い。2020年に神鉄バスから廃車バスを購入。2021年2月に構造変更のうえ車検取得。現在は兵庫県丹波市にて保管されており、前後扉バス保存会(現在30名ほど所属)により1~2か月に1回程度、このバスに乗り、他のバスの車庫見学やドライブなどが行われている。

 

国内唯一の実動車のいすゞ・ベレルエキスプレスは、1962年にいすゞ製高級乗用車「ベレル」をベースに後部をバンボディとした商用車。乗用車ベレルの感覚から生まれたエコノミー・バンを謳い登場した。

 

エンジンは1991ccガソリン/ディーゼルが存在していたが、現車はディーゼルエンジン仕様を、オーナーの藤岡氏の手により同じいすゞのG200型ガソリンエンジンに換装した。北米アラスカにあった廃車体をオーナー自らが輸入し、8年の歳月をかけて公道復帰させた日本で唯一の実動車両となる。

 

 

ダイハツ工業が1951年10月に発売した幻の三輪自動車Bee(ビー)。三輪の2ドアセダン型乗用車(フロント1輪、リヤ2輪)。RRレイアウトで、エンジンは空冷水平対向2気筒OHV、総排気量804cc、最高出力18馬力。最高速度は78km/h。発売当時の価格は55万円。

 

 

登場時には、主に関西でタクシーとして使われていたが、発売後わずか1年で製造が打ち切られた。製造台数はおよそ300台と言われいるが、現在は残存3台という。今回は、そのうちの2台(オーナー:元木氏、山崎氏)が並べて展示される。

 

その他、希少車&名車のエンジン始動させ目の前で体感できる車両も存在する。バタバタという排気音と共に吐き出される白煙や当時の始動音や鼓動、雄姿を確認にされたい。

 

 

フォードとして初めてベルトコンベア式の量産方式を採用し、アメリカの大衆に広く受け入れられたティン・リジー スピードスターT型フォード(1912年式)。徳島工業短期大学(T-COT)のエントランスに展示していた110年前の同車を、同校の学生達が復活させたクルマ。学生たちの実践力向上を重視し、自動車整備士養成の一環として修復(レストア)を実施することとし、クラウドファンディングにより支援を募りレストア資金とした(協力:T-COT 徳島工業短期大学)。

 

1964年登場の3代目キャブライトをベースにした、小型で機動力に優れた消防車が、ダットサン キャブライト消防車。信頼性のあるエンジンと、昭和29年製シバウラ消防ポンプを搭載した仕様で、多くの消防団に採用され都市部や狭い路地での消火活動に活躍した。車検証には「改」と記され、今でも「緊急自動車届出確認書」を持ち、当時の姿のまま公道を走れる希少な車両として歴史的価値が高い一台となっている(協力:セピアコレクション)。

 

 

1960年代後半、東名高速道路が開通するのに合わせ、当時ポルシェの輸入元だったミツワ自動車が912を改造。このパトカー仕様が神奈川、静岡、愛知、京都の各県警に合計4台を寄贈された。現車のポルシェ912 パトロールカー仕様は、その唯一の生き残りとなる。

 

高性能な4気筒エンジンを搭載し、警告灯とサイレンを備えながらも、ポルシェらしいスタイリッシュな外観を保ち、稀有な警察車両として注目を集めた。ポルシェの性能と警察仕様のカスタマイズが見事に融合した我が国の自動車史を飾る1台(オーナー:倉林氏)。

 

 

TOYOTA「2000GT」を彷彿とさせる「直列6気筒DOHC」搭載のスポーティカーが、トヨタ・セリカ XX(ダブルエックス) 。同モデルはアメリカで大成功を収めていた「フェアレディZ」に対抗するトヨタのグランドツアラーとして登場した。

 

初代(A40/50型)は高級スペシャルティカーという位置づけであったのに対し、展示の2代目(A60型)は一転してスポーティ路線へと変更。シャープなボディーと、XXの代名詞であるリトラクタブル・ヘッドライトの採用で、Cd値0.35という空力特性を獲得。

 

日本車としては久々となる200Km/hオーバーを記録した(2800GT)。少年ジャンプで連載されていた「よろしくメカドック」では、主役車両の1台として登場。1986年2月に販売終了となり、次期モデル(A70型)では「スープラ」と名称が変更された。ネオクラシックカー人気の中でも、マッシブなボディデザインが注目のトヨタ・セリカ XXは残存が少ない希少な車両となる(協力:はぶたに自動車診療所)。

 

 

その他、大正から昭和30年代頃まで、農作業などの動力源として活躍していた石油発動機。そのエンジン音を聴くと当時の農作業の風景が蘇る。半世紀以上前の農村に響いた「ドッドッドッ」という規則的に刻まれる音と匂いを懐かしさが愉しめる。今回は、サトー炭火焼玉式石油発動機のほか珍しいエンジンなどが展示・実演される(協力:森下氏)。

 

更にステージで行われるアワード車両の表彰コーナーとして、「ピープルズチョイス!来場者が選ぶ、参加型アワード」が行われる。エントリー者も含めた来場者が審査員という参加型アワードとなっている。

 

なお車両展示ばかりではなく、フリーマーケット&企業ブースも多数出店する。レトロカーの実車販売はもちろん、絶版パーツや年代物のカタログ、ミニカーなどが展示される。キッチンカーも多数出店するので1日中イベントを愉しめる。

 

開催概要
イベント名: 昭和レトロカー万博2024
公式HP: https://retrocar-expo.jp
主催: 昭和レトロカー万博実行委員会
日時: 2024年11月30日(土) 9:30~15:30 (閉門16:00予定)※雨天決行
会場: 万博記念公園 東駐車場(大阪府吹田市千里万博公園5)
入場料:

前売/一般:1,700円(税込)、当日/一般:2,000円(税込)

 ※前売券は、11月29日(金)23:59まで販売
 ※前売券・当日券ともに会場内で利用できる300円分金券付き
※小学生以下無料
※障がい者手帳の提示で本人と付添人1名様まで無料(要証明)
チケットの詳細は以下URLを確認されたい。
https://retrocar-expo.jp/?p=ticket
※前売りチケットは「ローソンチケット Lコード:55602」「セブンチケット セブンコード:107-169」「チケットぴあ Pコード:654-132」「イープラス」「CNプレイガイド」「楽天チケット」で販売中。

 

なお同イベントは暴走行為・エンジンの空吹かしや騒音・近隣駐車場でのミーティング、道路の通行を妨げる駐車待ち等の近隣住民への「迷惑行為」が禁止となる。不正改造車両や違法駐車は取締りの対象となり厳しく罰せられる。楽しくイベントを続けていくために来場者の協力を求めている。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。