2006年11月10日、米・政府系研究機関ウッドロー・ウィルソン国際学術センターが公共利益に貢献した人物に贈る「ウッドロー・ウィルソン賞」の受賞者に選ばれ、スピーチする豊田章一郎氏( Source:Union20 at English Wikipedia )
トヨタ自動車の名誉会長で、元経団連会長の豊田章一郎( とよだ・しょういちろう )氏が2月14日の夕刻、心不全により享年97歳で逝去した。葬儀は近親者のみで行う。喪主は長男で社長の章男氏。後日、お別れの会を開く予定。
1925年( 大正14年 )生まれの豊田章一郎氏は愛知県出身。現・トヨタ自動車の創業者、豊田喜一郎氏の長男。1947年( 昭和22年 )に名古屋大工学部を卒業。
自動車産業外での経験を積んだ後の1952年( 昭和27年 )にトヨタ自動車工業に入社。1981年( 昭和56年 )に当時のトヨタ自動車販売の社長に。翌1982年( 昭和57年 )にトヨタ自動車工業とトヨタ自動車販売が合併し、現在のトヨタ自動車が誕生すると同時に同社社長に就任した。
1986年5月5日、ジョージタウンでトヨタ モーター マニュファクチャリング ケンタッキーの起工式を行う(左から右へ)豊田英二氏、マーサ レイン コリンズ知事、豊田章一郎氏
その後の1984年( 昭和59年 )に日米貿易摩擦の激化を受け、米国内での雇用拡大を介して沈静化を図るべく米・カリフォルニア州にゼネラルモーターズ( GM )との合弁工場( NUMMI )を設立。同工場に係る設立・運営等の知見が後年のグローバル生産の足掛かりとなった。
更に1986年に、米・ケンタッキー州へトヨタ単独としては初の工場建設を決断( 1988年から生産開始 )。カナダやイギリス等でも現地生産を進め、トヨタ自動車を世界有数の自動車メーカーへと成長させた。
2013年5月1日のTMMWV(トヨタ モーター マニュファクチャリング ウェスト バージニア)の生産セレモニーで、地元の4つの郡の学校の教育長に32,500ドルの寄付を贈る
1992年( 平成4年 )にトヨタ自動車会長に就任してからは、財界活動に精力的を注ぎ、1994年( 平成6年 )の5月から4年間、経団連の会長を務め、2005年( 平成17年 )に愛知県で開かれた「愛・地球博」の博覧会協会会長を務めた。
1999年( 平成11年 )に、トヨタ名誉会長に就任して経営の一線から退いたが、その後も、2009年にトヨタ自動車社長に就任した長男の章男氏を支えた。
2012年8月3日、豊田章一郎氏がプリウスPHVを英国初のフリート顧客に引き渡す式典にて
また人材育成や教育にも力を入れ、トヨタやJR東海など企業が設立に関わった全寮制の中高一貫校「海陽学園」では、初代の理事長も務めた。
2007年( 平成19年 )秋の叙勲で桐花大綬章を受章。同年、米国の自動車産業に貢献した人物を表彰する「自動車殿堂」入りも果たした。
2014年9月8日、デトロイトでトヨタ テクニカル センター外務担当シニア エグゼクティブ アドミニストレーターのブルース ブラウンリー氏とITS世界会議の展示を視察する
主な経歴
昭和27年 7月:トヨタ自動車工業株式会社入社
昭和27年 7月:トヨタ自動車工業株式会社 取締役就任
昭和36年 1月: 同 社 常務取締役就任
昭和42年10月: 同 社 専務取締役就任
昭和47年12月: 同 社 取締役副社長就任
昭和56年 6月:トヨタ自動車販売株式会社 取締役社長就任
昭和57年 7月:トヨタ自動車株式会社に社名変更
昭和57年 7月: 同 社 取締役社長就任
平成 4年 9月: 同 社 取締役会長就任
平成11年 6月: 同 社 取締役名誉会長就任
平成21年 6月: 同 社 名誉会長就任
主な現兼職
昭和58年10月:株式会社国際経済研究所 取締役
平成 8年 6月:株式会社コンポン研究所 代表取締役
主な現公職・団体職
昭和49年 3月:公益財団法人(旧 一般財団法人)豊田理化学研究所 理事長
平成14年 5月:一般社団法人 日本経済団体連合会 名誉会長
平成28年 4月:学校法人 海陽学園 名誉理事長
平成29年 6月:一般社団法人 日本自動車会議所 名誉顧問
賞罰
昭和47年 8月:紺綬褒章
昭和55年11月:デミング賞本賞
昭和59年11月:藍綬褒章
昭和59年12月:紺綬褒章
昭和60年 2月:紺綬褒章
昭和61年 5月:ベネズエラ共和国 アントニオ・ホセ・デ・スクレ勲章第一等
昭和63年10月:ベネズエラ共和国 フランシスコ・デ・ミランダ勲章第二等
平成 2年 9月:タイ王国 二等タイ王冠勲章
平成 3年 4月:ベルギー王国 レオポルド勲章コマンドール章
平成 3年12月:コロンビア共和国 国家大十字勲章
平成 7年 3月:英国 名誉大英勲章(KBE)
平成 7年 4月:勲一等瑞宝章
平成 7年 9月:ベネズエラ共和国 フランシスコ・デ・ミランダ勲章第一等
平成 8年 3月:ブラジル連邦共和国 南十字国家勲章
平成10年 2月:トルコ共和国 リヤカット勲章
平成10年 4月:フランス共和国 レジオン・ド・ヌール勲章コマンドール章
平成10年 6月:イタリア共和国 グランデ・ウフィチアーレ勲章
平成11年 6月:オーストラリア アナラリー・コンパニオン章
平成11年11月:オーストリア共和国 名誉大勲章金星章
平成12年 3月:スペイン イサベル女王勲章エンコミエンダ章コメダドール勲章
平成12年 6月:FISITA(国際自動車技術会連盟)メダル
平成13年 5月:ドイツ連邦共和国 功労勲章大功労十字章
平成14年 4月:勲一等旭日大綬章
平成16年 4月:ポーランド共和国 ポーランド功労勲章二等コマンドルスキ十字型章
平成16年12月:タイ王国 一等ディレクグンナポーン勲章
平成17年 3月:フランス共和国 レジオン・ド・ヌール勲章グランオフィシエ章
平成17年 5月:ポルトガル共和国 功労勲章グランクルス章
平成17年 8月:コスタリカ共和国 フアン モラ フェルナンデス グラド デ グランクルス プラカデプラ
平成17年 9月:ガボン共和国 エクアトリアル勲章 勲三等
平成19年 4月:米国自動車殿堂入り
平成19年10月:イタリア共和国 ガヴァリエーレ・ディ・グラン・クローチェ章
平成19年11月:桐花大綬章
平成22年 4月:フィリピン共和国 ラカンドゥラ勲章(英雄級)
平成27年 8月:インドネシア共和国 ビンタン・ジャサ・ウタマ勲章
(令和5年2月 現在)