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2023年2月14日【経済・社会】

トヨタ自動車・名誉会長の豊田章一郎氏が逝去

坂上 賢治

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2006年11月10日、米・政府系研究機関ウッドロー・ウィルソン国際学術センターが公共利益に貢献した人物に贈る「ウッドロー・ウィルソン賞」の受賞者に選ばれ、スピーチする豊田章一郎氏( Source:Union20 at English Wikipedia )

 

トヨタ自動車の名誉会長で、元経団連会長の豊田章一郎( とよだ・しょういちろう )氏が2月14日の夕刻、心不全により享年97歳で逝去した。葬儀は近親者のみで行う。喪主は長男で社長の章男氏。後日、お別れの会を開く予定。

 

1925年( 大正14年 )生まれの豊田章一郎氏は愛知県出身。現・トヨタ自動車の創業者、豊田喜一郎氏の長男。1947年( 昭和22年 )に名古屋大工学部を卒業。

 

自動車産業外での経験を積んだ後の1952年( 昭和27年 )にトヨタ自動車工業に入社。1981年( 昭和56年 )に当時のトヨタ自動車販売の社長に。翌1982年( 昭和57年 )にトヨタ自動車工業とトヨタ自動車販売が合併し、現在のトヨタ自動車が誕生すると同時に同社社長に就任した。

 

1986年5月5日、ジョージタウンでトヨタ モーター マニュファクチャリング ケンタッキーの起工式を行う(左から右へ)豊田英二氏、マーサ レイン コリンズ知事、豊田章一郎氏

 

その後の1984年( 昭和59年 )に日米貿易摩擦の激化を受け、米国内での雇用拡大を介して沈静化を図るべく米・カリフォルニア州にゼネラルモーターズ( GM )との合弁工場( NUMMI )を設立。同工場に係る設立・運営等の知見が後年のグローバル生産の足掛かりとなった。

 

更に1986年に、米・ケンタッキー州へトヨタ単独としては初の工場建設を決断( 1988年から生産開始 )。カナダやイギリス等でも現地生産を進め、トヨタ自動車を世界有数の自動車メーカーへと成長させた。

 

2013年5月1日のTMMWV(トヨタ モーター マニュファクチャリング ウェスト バージニア)の生産セレモニーで、地元の4つの郡の学校の教育長に32,500ドルの寄付を贈る

 

1992年( 平成4年 )にトヨタ自動車会長に就任してからは、財界活動に精力的を注ぎ、1994年( 平成6年 )の5月から4年間、経団連の会長を務め、2005年( 平成17年 )に愛知県で開かれた「愛・地球博」の博覧会協会会長を務めた。

 

1999年( 平成11年 )に、トヨタ名誉会長に就任して経営の一線から退いたが、その後も、2009年にトヨタ自動車社長に就任した長男の章男氏を支えた。

 

2012年8月3日、豊田章一郎氏がプリウスPHVを英国初のフリート顧客に引き渡す式典にて

 

また人材育成や教育にも力を入れ、トヨタやJR東海など企業が設立に関わった全寮制の中高一貫校「海陽学園」では、初代の理事長も務めた。

 

2007年( 平成19年 )秋の叙勲で桐花大綬章を受章。同年、米国の自動車産業に貢献した人物を表彰する「自動車殿堂」入りも果たした。

 

2014年9月8日、デトロイトでトヨタ テクニカル センター外務担当シニア エグゼクティブ アドミニストレーターのブルース ブラウンリー氏とITS世界会議の展示を視察する

 

主な経歴
昭和27年 7月:トヨタ自動車工業株式会社入社
昭和27年 7月:トヨタ自動車工業株式会社 取締役就任
昭和36年 1月:  同  社  常務取締役就任
昭和42年10月:  同  社  専務取締役就任
昭和47年12月:  同  社  取締役副社長就任
昭和56年 6月:トヨタ自動車販売株式会社 取締役社長就任
昭和57年 7月:トヨタ自動車株式会社に社名変更
昭和57年 7月:  同  社  取締役社長就任
平成 4年 9月:  同  社  取締役会長就任
平成11年 6月:  同  社  取締役名誉会長就任
平成21年 6月:  同  社  名誉会長就任

 

主な現兼職
昭和58年10月:株式会社国際経済研究所 取締役
平成 8年 6月:株式会社コンポン研究所 代表取締役

 

主な現公職・団体職
昭和49年 3月:公益財団法人(旧 一般財団法人)豊田理化学研究所 理事長
平成14年 5月:一般社団法人 日本経済団体連合会 名誉会長
平成28年 4月:学校法人 海陽学園 名誉理事長
平成29年 6月:一般社団法人 日本自動車会議所 名誉顧問

 

賞罰
昭和47年 8月:紺綬褒章
昭和55年11月:デミング賞本賞
昭和59年11月:藍綬褒章
昭和59年12月:紺綬褒章
昭和60年 2月:紺綬褒章
昭和61年 5月:ベネズエラ共和国 アントニオ・ホセ・デ・スクレ勲章第一等
昭和63年10月:ベネズエラ共和国 フランシスコ・デ・ミランダ勲章第二等
平成 2年 9月:タイ王国 二等タイ王冠勲章
平成 3年 4月:ベルギー王国 レオポルド勲章コマンドール章
平成 3年12月:コロンビア共和国 国家大十字勲章
平成 7年 3月:英国 名誉大英勲章(KBE)
平成 7年 4月:勲一等瑞宝章
平成 7年 9月:ベネズエラ共和国 フランシスコ・デ・ミランダ勲章第一等
平成 8年 3月:ブラジル連邦共和国 南十字国家勲章
平成10年 2月:トルコ共和国 リヤカット勲章
平成10年 4月:フランス共和国 レジオン・ド・ヌール勲章コマンドール章
平成10年 6月:イタリア共和国 グランデ・ウフィチアーレ勲章
平成11年 6月:オーストラリア アナラリー・コンパニオン章
平成11年11月:オーストリア共和国 名誉大勲章金星章
平成12年 3月:スペイン イサベル女王勲章エンコミエンダ章コメダドール勲章
平成12年 6月:FISITA(国際自動車技術会連盟)メダル
平成13年 5月:ドイツ連邦共和国 功労勲章大功労十字章
平成14年 4月:勲一等旭日大綬章
平成16年 4月:ポーランド共和国 ポーランド功労勲章二等コマンドルスキ十字型章
平成16年12月:タイ王国 一等ディレクグンナポーン勲章
平成17年 3月:フランス共和国 レジオン・ド・ヌール勲章グランオフィシエ章
平成17年 5月:ポルトガル共和国 功労勲章グランクルス章
平成17年 8月:コスタリカ共和国 フアン モラ フェルナンデス グラド デ グランクルス プラカデプラ
平成17年 9月:ガボン共和国 エクアトリアル勲章 勲三等
平成19年 4月:米国自動車殿堂入り
平成19年10月:イタリア共和国 ガヴァリエーレ・ディ・グラン・クローチェ章
平成19年11月:桐花大綬章
平成22年 4月:フィリピン共和国 ラカンドゥラ勲章(英雄級)
平成27年 8月:インドネシア共和国 ビンタン・ジャサ・ウタマ勲章
(令和5年2月 現在)

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

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経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。