自動運転EVバス ARMA(アルマ)
マクニカは11月1日、三重交通、三岐鉄道、芙蓉総合リース、芙蓉オートリース、日本信号、シー・ティー・ワイ(CTY)の7社にて、三重県四日市市の中央通りで自動運転EVバスを活用した実証実験に参加した。
これは四日市市、交通事業者、経済団体等の関係者で構成される「自動運転導入検討会議」と令和3年度に発足した「四日市スマートリージョン・コア 推進協議会」が行うスマートシティ創出に向けた実証実験に協力するもの。同実証は今回で4回目となる。
実証実験では、昨年9月と同様の中央通りにて、ハンドル・アクセル・ブレーキのない自動運転EVバスであるGAUSSIN MACNICA MOBILITY社の「ARMA(アルマ)」を2台運行。
車室内への半透過型ディスプレイの設置
昨年同様日本信号からの技術協力を受けて「信号協調」を行い、信号交差点付近での自動走行技術検証を実施。また2台の車両内部には半透過型のディスプレイを設置し、プロモーション動画を配信することで移動価値の検証も行う。更にバス停付近ではAIが自動音声案内をしたり、乗客の行動に合わせた音声案内を発信する検証を行うなど、より社会実装を意識した実証実験を行っていく。
また併せて市役所内に遠隔監視センターを設け、より実用的な形に近づけ、将来の自動運転社会実装やMaaS事業創出を見据えた検証を行う。その一環として期間限定でCTYから提供するローカル5Gを活用した遠隔監視を実施することで、車室内外の映像品質の効果検証も行う。
乗降場図
対してマクニカは、これまでの自動運転移動サービスに係る実証実験運営等の実績を活かす。
実証実験リーフレット
具体的には、四日市中央通りを周遊する自動運転EVバスの運行と、自動運転走行に必要なデータ取得・セットアップ、技術的資料・取得データを提供し、効果検証を行う。
この際、車両の走行データをマクニカ製遠隔モビリティ管理システム「everfleet(エバーフリート)」に連携させることで、自動運転EVバスの走行情報をリアルタイムに離れた場所で確認する。
芙蓉リース及び芙蓉オートリースは、マクニカとの業務提携「自動運転実証実験支援サービスプログラム」により自動運転EVバスを提供。
オペレーション画面
三重交通と三岐鉄道は自動運転EVバスのオペレータを提供。日本信号は、交通信号機から自動運転車へ信号情報を伝える「信号協調システム」を提供する。
四日市市では、各種公共交通の一括予約・決済システムと駐車場予約などの機能を組み合わせた拡張型MaaSの構築を目指す。
実証実験の概要
■日 程 : 2023年11月1日(水)~11月19日(日) (月曜日は除く)
■時 間 : 10時~16時(1日13便)
■自動運転車両:自動運転EVバス ARMA(2台運行)
■走行ルート: 「JR四日市駅前ロータリー」と「近鉄四日市駅前ロータリー」を往復する周回ルート(片道約1.1km)
■乗車方法:事前予約枠(休日のみ)、当日自由枠乗車(平日・休日)
(専用サイトもしくはCTYコネクトアプリから事前乗車登録)
自動運転EVバスARMA(GAUSSIN MACNICA MOBILITY社製)は自動運転システムを搭載した自動運転シャトルバスです。EV(電気自動車)仕様となり、1回の充電で約9時間(100km)の自動走行が可能。
全長:4,750mm
全高:2,650mm
全幅:2,110mm
重量:2,400kg
車両総重量:3,450kg
乗客人数:最大6人
動力源:電動モーター
最高速度:18km/h(運行時は平均速度15km/h程度)
自動運転レベル:レベル2(技術的にはレベル3相当)
その他:緊急時は同乗のドライバーが手動介入
everfleet(エバーフリート)は、自動運転を実用化するべく車室内の乗客や車両周辺の状況を遠隔地からモニタリングするシステム。
このeverfleetではモビリティの位置情報や車内外のカメラ映像に加え、車速・ステアリング・バッテリー残量などの車両データを統合して一元的に可視化し、信号機などの交通インフラと協調した外部データとの連携が可能となる。
これにより、運行状況を遠隔地からリアルタイムに把握し、安全・安心に自動運転モビリティを運用することができる。更に複数地域の多種多様なモビリティを同時に群管理することや運行時の異常をシステムによって自動的に検出・通知することができる。