ソフトバンクグループ傘下のSBドライブは、8月28日、国立研究開発法人 産業技術総合研究所(以下「産総研」)が経済産業省および国土交通省から受託した、茨城県日立市で行われる「ラストマイル自動走行の実証評価」等の事業を一部受託し、参画することを発表した。
「ラストマイル自動走行の実証評価」とは、経済産業省および国土交通省の平成30年度「高度な自動走行システムの社会実装に向けた研究開発・実証事業:専用空間における自動走行などを活用した端末交通システムの社会実装に向けた実証」の一環として行われるもの。
実証実験は、茨城県日立市にある日立電鉄線跡地を活用した定時性・速達性に優れたバス高速輸送システムである「ひたちBRT」の路線などを利用。
合計3.2kmの区間において、2018年10月22日から28日まで自動運転バスを走行させて実証評価を行うとともに、公募により一般乗客にも試乗してもらうことでその受容性を検証する。
SBドライブは「ラストマイル自動走行の実証評価」において、自動運転技術を研究・開発する企業の先進モビリティが市販の小型バスをベースに改造した車両と、SBドライブが開発中の遠隔運行管理システム「Dispatcher(ディスパッチャー)」を活用し、ルート設定などの自動走行のための準備や、遠隔地から運行状態を把握し車内外の安全の確保などを行う予定だ。
また、一部の運行では、遠隔運行管理者とバス利用者とのコミュニケーションツールとして、SpiralMindが開発した「アバターテレポーテーション」技術も活用する。
この「アバターテレポーテーション」は実際の人の目や鼻、口をカメラで検出し、それらの動きを、遠隔地のディスプレー上に表示されたキャラクターの表情にリアルタイムで反映することが可能な技術。
この技術とSBドライブの「Dispatcher」を連携させることで、遠隔地にいる運行管理者が自動運転バス内のディスプレーに表示されたキャラクターを通して、バス利用者に向けた車内アナウンスを行うことが可能となる。
SBドライブは、小田急電鉄等の電鉄2社が神奈川県と連携して江ノ島で9月6日〜16日に行う自動運転バスの実証実験にも協力する予定。
(詳細は当サイト内記事 「電鉄2社、江ノ島の公道で自動運転バスの実証実験」 参照)
同社では、今後も各地域での実証実験を通して、自動運転バスの実用化に向けて取り組んでいく方針だ。
参考:経済産業省ホームページ
http://www.meti.go.jp/press/2018/08/20180827002/20180827002.html