ソフトバンク株式会社傘下のSB ドライブ株式会社(本社:東京都港区、代 表取締役社長 兼 CEO:佐治 友基)は6月27日、自動運転を前提に設計されたハンドルな どがないバス「NAVYA ARMA(ナビヤ アルマ/仏 Navya社製)」の公道での走行実証を開始すると発表した。(坂上 賢治)
これを前提にSBドライブは、国土交通省関東運輸局長から道路運送車両の保安基準第55条による基準緩和認定を受けるため同車両を改造。公道での走行実証を行うべく車両の新規登録(ナンバーの取得)を行った。
具体的には7月3日から5日の3日間にわたって、東京都港区のイタリア街でこの「NAVYA ARMA」の自律走行の実証を行うとしている。
使用される「NAVYA ARMA」の仕様は、乗車定員11人(運転手を含む) 、搭載動力は電動機(定格出力15kW×1基)、車両寸法は全長 4.76m、全幅2.11m、全高2.65m、車両重量2,470kg。
GPSで自車位置を測定し3D LiDAR(レーザースキャナー)などで障害物を検知。あらかじめ設定したルートを低速で自律走行することが可能。今回は、走行速度や車両に設置されたセンサーによる障害物の検知範囲などをSBドライブが走行環境に合わせて設定する。
走行中の取得情報などは、同社の自動運転バス運行用プラットフォーム「ディスパッチャー(Dispatcher)」と連携させる。この自動運転バス運行用プラットフォームを通して遠隔から車両走行を監視する他、車両の停止・発進、運転手への指示を行う事もできる。
具体的な運用方法では、事前に国土交通省や警察庁などの関係各所と検討。同件での共同研究先である東京大学・生産技術研究所の中野公彦研究室と協議の上、実証車両に訓練を受けた運転手(SBドライブの社員)と、その運転手を補助する保安要員が乗車する。これにより緊急時には手動運転に切り替えるなど、万が一の不測の事態に備える構え。
日本国内に於いて自動運転を前提に設計された車両が、一般車両の進入を制限する専用空間ではなく、全くの一般公道を走行する実証は国内で初の事となる。
SBドライブは直近でも、去る3月23日から4月5日まで鳥取県八頭町で日野ポンチョをベースとする自動運転バス車両で、実証実験を実施するなど精力的に車両運用を伴う取り組みを重ねてきたが「今後もNAVYA ARMAの公道での走行実証を積極的に進め、自動運転バスの社会受容性の拡大と事業化に取り組んでいきます」と結んでいる。