写真は自動運転技術開発センターの新体制の研究者(同大学の研究者のみ)
埼玉工業大学は1月30日、自動運転の研究・開発体制の強化に向けて自動運転技術開発センター(センター長:埼玉工業大学 工学部 情報システム学科 渡部大志教授)の研究者を増員する。同学は、国内の私立大学に先駆けて2019年4月に自動運転技術開発センターを学長直轄の研究部門として設立された。
そんな自動運転技術開発センターは、2024年1月より研究者を倍増。研究・開発体制を大幅に強化してレベル4への対応も視野に入れて産学官連携で開発を推進していく構えだという。
新体制の研究者は以下の通り( *新メンバー )
〇渡部 大志 センター長、工学部情報システム学科 教授/画像認識工学研究室
〇鯨井 政祐 工学部情報システム学科 教授/ヒューマンインタフェース研究室
〇和田 正義 特任客員教授
*田中 克明 人間社会学部 情報社会学科 教授/知能情報システム研究室
*中村 晃 工学部情報システム学科 教授/システム制御研究室
*本吉 裕之 人間社会学部 情報社会学科 准教授/経営企画研究室
*望月 義彦 工学部情報システム学科 講師/視覚情報処理研究室
以上7 名
なお自動運転技術開発センターは、全国内各地で開催される自動運転の社会実装に向けた実証実験に多数の参加実績を持っている。実証実験では、独自開発の自動運転バスの車両を提供、自動運転の技術支援ノウハウを磨いてきた。
また私立大学では国内初となる自動運転の大型バスをスクールバスとして導入。大学の最寄り駅(JR 高崎線岡部駅)からキャンパスまでの公道を、実際に学生を乗せた送迎(期間限定運行)も行い始めている。
開発した自動運転機能を後付けで搭載した大型バスは、路線バスとして営業運行するために緑ナンバー(業務用)を取得。車両の仕様は、日野レインボーをベースにした長さ:910cm、幅:244 cm、高さ:307 cm、定員 58 人乗り、5.19L ディーゼル車で、Autoware*を採用した自動運転の実証実験用車両だ。
Autoware(The Autoware Foundationの商標)をジョイスティック車として架装した車両にカスタマイズする形で開発された自動運転 AIを搭載。AI による障害物の検知(識別・分類)機能を強化して、複数のライダーやカメラの画像情報をディープラーニング(深層学習)により周囲環境として AI で認識して、障害物を回避して走行が可能となっている。
同車両の開発は、埼玉県の助成とミクニライフ&オート(社長:佐藤 好宏、本社:埼玉県加須市)の全面的な技術協力による産学官連携で実現させている。
そんな埼玉工業大学は、埼玉県先端産業創造プロジェクトのスマートモビリティ実証補助に2年連続で採択。令和3年度埼玉県デジタル技術活用製品開発費補助にも採択されている。
2024年には、大学の地元である埼玉県深谷市の深谷自動運転実装コンソーシアムの中核メンバーとして「深谷自動運転バス試乗会 in 深谷」に参加。地元の小中学生へ自動運転の特別授業を実施。2 月には、奈良県(明日香村、三郷町)での実証実験に参加する予定となっている。