埼玉工業大学(埼工大)は3月22日、日本財団が2022年3月14日に八ッ場あがつま湖にて実施した水陸両用船「八ッ場にゃがてん号」の無人運航の実証実験に参加したと発表した。
埼工大は、ITbookホールディングスが代表となる「水陸両用無人運転技術の開発 ~八ッ場スマートモビリティ~」のコンソーシアムに長野原町、エイビット、日本水陸両用車協会と共に参加して開発を進めてきた。埼工大は「MEGURI2040」プロジェクトのコンソーシアムメンバーとして参加する唯一の大学となる。
埼工大は、ITbookテクノロジーとの共同研究により、自動運転・運航による水陸両用バスの開発と、ソフトウェアおよびシステムの設計・開発を推進。今回その成果として、長野原町所有の水陸両用船「八ッ場にゃがてん号」(全長11.83m、総トン数11トン)が陸上から入水し、水上を航行して障害物を回避し、上陸する一連の自動運航を実現した。
埼工大は自動運転バスの開発で培ってきた技術と、オープンソースの自動運転ソフトウェアであるAutowareをベースに、無人運航船のシステムを構築した。この2年間の共同研究の成果として(1)離着水・離着桟における位置推定及び自動運航技術、(2)水上障害物検知及び回避のための技術、(3)ローカル5G等を用いた遠隔操作技術の構築において目標を達成した。
なお、この実証実験は 日本財団の推進する無人運航船プロジェクト「MEGURI2040」の一環で、水陸両用船による無人運航の実証は世界初。またプロジェクトで開発された、経路の追従、避航システムなどは、船舶の安全運航等に寄与することが期待されるとしている。