システムインテグレーターの両備システムズは6月10日、人手不足や物流2024年問題に応えるべく、荷待ちトラックの時間短縮や、人手不足解消に役立つ3つのAIソリューションの組み合わせ提供を開始した。
これまで同社は、物流センターや倉庫で、荷積み・荷卸しで到着したトラックの受付から退場までのトータル時間を管理するべく、各作業工程の業務時間を見える化し、業務全体の効率化を図ってトラックの待ち時間を約20%削減が可能なように開発したバース入退場管理システムの「 R-Teams( アールチームス ) 」を提供してきた。
この「 R-Teams 」は、トラックのチェックインの自動化/半自動化により、バース( 荷物の積み下ろしに利用するスペース )への入出庫時に、監視カメラからの画像を基に貨物量を判断して、オペレーションロスを抑制する。
また、この橋組みはクラウドサービスのため、場所の制約を受けることなく( 複数拠点の監視業務が可能 )、データの見える化で継続的な業務改善を可能にする。
ちなみにこれは同社の駐車場管理の「 IT-Parking(アイティーパーキング) 」システムを下敷きとしており、これはIPカメラの画像を用いて、車室単位のAI画像解析による在車管理。
更に収集される画像データを活用することで、場内監視/記録/防犯/事故対応等に役立てることができるもの。駐車場管理の人手不足を補うソリューションとして大型商業施設や道の駅など、駐車場で荷待ちするトラックの満空管理対策で、安定的な利用実績を持っているという。
また、駐車場レイアウトに応じてIPカメラの撮影範囲を調整することで、効率的な管理も可能とした。既存カメラや場内誘導設備との連携も可能で、駐車場のレイアウトに応じて柔軟なシステム設計が可能としている。
今回はこれをベースに、更に業務ロスを約20%時間短縮できるAIカウントツール「 CountShot( カウントショット ) 」を開発・提案。その結果、1運行あたりの荷待ち、荷役作業等に掛かる時間を約30%削減する( 最大60%削減 )ことができるシステムを提案している。
このCountShotとは、出荷時の数を目視でカウントしてきた現場業務の改善を支援するもの。現場で日々行われている出荷製をカウントする一方で、出荷タグの読取によって入力作業自体の軽減を図る。
これらの画像をエビデンスのひとつとして利用することより、管理部門・営業部門での確認業務を短縮。顧客からの問い合わせにも応えられる仕組みだ。作業管理は、手袋利用にも対応した設計であり、スマートフォンを活用したシンプルな仕組みにより、初期投資のコスト抑制と利便性を両立させる。
今回同社が、AIカウントツールにIT-Parkingを組み合わせることを発案した理由は、先の2024年4月にトラックドライバーの時間外労働の上限が年間960時間となったことがある。今後は、物流の適正化・生産性向上で対策を講じなければ、2024年度には輸送能力が約14%不足。更に2030年度には約34%不足すると政府調査で推計されている。
同社では今後も、開発システムの機能強化を図りつつ、2026年末までに延べ70施設(内訳:バース入退場システム:15施設、駐車場管理システム:30施設、AIカウントツール:25施設)への導入( トータル2026年の事業規模で5億円の確保を設定 )を目指すとしている。
会社概要
株式会社両備システムズ
本社所在地:岡山県岡山市北区下石井二丁目10-12
杜の街グレースオフィススクエア4階
代表者:代表取締役社長 松田 敏之
設立:1969年12月
資本金:3億円
事業内容:
- 公共、医療、社会保障分野および民間企業向け情報サービスの提供(システム構築、アウトソーシング事業)、ソフトウェア開発、データセンター事業、ネットワーク構築サービス、セキュリティ事業、ハードウェア販売および保守サービス、AI・IoTなど先端技術研究開発