TOYOTA GAZOO Racingは3月1日、2021年FIA世界ラリー選手権(WRC)第2戦アークティック・ラリー・フィンランドの最終日デイ3が、2月28日、フィンランド北部ロヴァニエミの南側エリアで行なわれ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(ヤリスWRC 69号車)が総合2位で、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(33号車)が総合5位、セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア組(1号車)が総合20位でフィニッシュしたことを発表した。
20才のロバンペラは史上最年少記録でドライバー選手権のトップに立ち、チームはマニュファクチャラー選手権で首位を守った。
競技3日目のデイ3は、サービスパークの南側に展開する全長22.47kmの「アイッタヤルヴィ」を、サービスを挟むことなく2回走行する、2本計44.94kmのステージで戦われた。デイ2終了時点で首位と24.1秒差、総合3位のライバルと1.8秒差の総合2位につけたロバンペラは、デイ3オープニングのSS9で2番手タイムを記録。その再走ステージとなる最終のSS10ではベストタイムをマークし、僅差で迫っていた総合3位のライバルを抑えきることに成功。これまでの自己最高位だった2020年のラリー・スウェーデンでの総合3位を上回る、総合2位でフィニッシュした。最終のSS10は、トップ5タイムを記録した選手とマニュファクチャラーに対し、ボーナスの選手権ポイントが与えられる「パワーステージ」に指定されており、ベストタイムで最大ボーナスの5ポイントを獲得したロバンペラは、ドライバー選手権で初めて首位に立った。
総合5位でデイ3に臨んだエバンスは、10.1秒先行する総合4位のライバルを激しくチャージ。SS9では今大会2回目となるベストタイムを記録し、差を3.6秒に縮めました。しかし、最終のパワーステージでは6番手タイムに留まり、逆転には至らず総合5位でフィニッシュ。エバンスとロバンペラが獲得したポイントにより、チームはマニュファクチャラー選手権首位の座を守った。
デイ2の最終ステージでデイリタイアとなったオジエは、デイ3で再出走。不利な早い出走順での走行となったが、パワーステージでは5番手タイムを記録し、ボーナスの1ポイントを獲得した。その結果、ドライバー選手権首位の座は失ったが、エバンスと同ポイントで、2位のライバルと4ポイント差の3位につけている。なお、TOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラムにより、ヤリスWRCで出場の勝田貴元は、最終のパワーステージでひとつ順位を上げ、前戦ラリー・モンテカルロに続き総合6位でフィニッシュ。2戦連続で8ポイントを獲得した。
WRC次戦は、4月22日から25日にかけて開催される、第3戦「クロアチア・ラリー」。ヨーロッパのバルカン半島の国、クロアチアは以前から熱心にWRCの誘致を進めていたが、今年初めてWRCとして行われることになった。首都ザグレブにサービスパークを置くこのイベントは、フルターマック(舗装路)ラリーとして開催される。
■第2戦アークティック・ラリー・フィンランド概要
開催国:フィンランド
日程:2月26日(金)~28日(日)
サービスパーク:ロヴァニエミ
路面:スノー
SS:10 (SSトータル距離:251.08 km)
総走行距離:856,05 km
※2021年2月11日時点。
■コメント
<<ヤリ-マティ・ラトバラ(チーム代表)>>
最終日カッレは総合2位を守り、パワーステージを制し、彼自身とチームのために多くのポイントを獲得するなど、今回のラリーでの彼のパフォーマンスは本当に素晴らしいものでした。エルフィンは総合4位を目指して頑張りましたが、惜しくも届きませんでした。両選手権ともに首位をキープしているので満足するべきでしょうが、当然我々はさらに上の結果を狙っていました。今回はチームにとってホームラリーだったので、優勝を期待していました。今回はクルマのセットアップに少し苦労し、ドライバーはラリーを通して完全にはクルマに満足していませんでした。いくつかのステージでは速かったのですが、競争力のないステージもあったので、その理由を分析しなくてはなりません。
<<セバスチャン・オジエ(ヤリスWRC 1号車)>>
全体的に厳しい週末でした。できる限りのことはやりましたが、選手権首位でこのラリーに臨む我々にとって、厳しい戦いになることは最初からわかっていました。それでも一生懸命戦ったのですが、昨日の最終ステージでの小さなミスが大きく響き、戦いから遠ざかることになってしまいました。今日のパワーステージは、我々の出走順を考えるとあまり多くを期待できませんでした。路面には依然多くの雪がありましたが、これ以上は不可能なくらい限界ぎりぎりで走った結果、1ポイントを獲得できたのは良かったです。
<<エルフィン・エバンス(ヤリスWRC 33号車)>>
最終日は良いスタートを切ることができました。路面のグリップは予想以上に高かったのですが、最初の数コーナー以降は走りのリズムをつかみ、良いタイムが出ました。しかし、その後のパワーステージではベストな走りをできませんでした。フィーリングは良かったのですが、タイムは狙っていたほどは良くありませんでした。正直なところ、このイベントは我々にとってベストなものではなかったと思います。最終結果には失望しています。何度か速く走れた瞬間はありましたが、上位を狙えるほどの安定性はありませんでした。
<<カッレ・ロバンペラ(ヤリスWRC 69号車)>>
2位という結果には本当に満足しています。非常に困難な週末でした。とてもハードに攻めていたので適度なスピードを常に保つことはできませんでしたが、最後まで攻めの走りを続けました。パワーステージでは自分の全てを出し切って走り、それが上手くいき多くのポイントを獲得することができました。初めてドライバー選手権をリードする立場となったことを、嬉しく思います。次のイベントには新たな状況で臨むことになりますが、今までのようにペースを守り、コンスタントに走る必要があります。