ロボデックスは12月1日、水素燃料電池ドローンに搭載する特別仕様の高圧水素用複合容器の経済産業大臣の特別認可(以下「大臣特認」)及び国交省航空局飛行許可を取得して、11月18日に日本初の試験飛行を成功したことを発表した。
水素燃料電池ドローンには水素貯蔵用の高圧ガス容器が搭載されることから、一定高度以上での飛行を行うためには万が一落下した場合に備えた安全対策を講じるとともに高圧ガス保安協会の特定案件事前評価と、大臣特認が必要となる。
産業用ドローンの開発・販売を行うロボデックスは、帝人エンジニアリングと協力し、高圧水素用複合容器を搭載した水素燃料電池ドローンについて、高圧ガス保安協会の特定案件事前評価委員会を経て、大臣特認を取得。そして、国土交通省航空局から正式に水素燃料電池ドローンの飛行許可を取得し、11月18日に神奈川県茅ケ崎市にて日本初の飛行を実施した。
今回の試験飛行では、54分間の浮上となった。現在、リチウムイオン電池などを搭載した産業用大型ドローンは10分から15分程度の飛行しかできないが、水素燃料電池で飛行させることで、60分から80分の飛行が可能。ロボデックスでもこれまで実施したテストにおいて、最大80分の飛行を成功させており、今年度中には2時間の飛行を目指している。
ロボデックスは既に2019年にインテリジェント・エナジー社(Intellignet Energy/本社:英国・ラフバラ)とUAV向け燃料電池のパートナーとなっており、今回、帝人エンジニアリングの高圧水素用複合容器を採用し、必要な安全対策を講じたことで、日本で唯一、燃料電池ドローンの開発製造販売、許認可取得サポートを一貫して対応が可能となった。
ドローンはバッテリー型、ガソリンハイブリット型、水素燃料電池型などがあり、水素燃料電池ドローンはバッテリー型やガソリンハイブリッド型のドローンと比べて、温室効果ガスの排出を抑えた環境面はもちろん、長時間飛行や積載量が拡大可能。環境に配慮しながらこれまで人の手や目では実現できなかったことができるようになると、農業や建設、物流、防災、保守点検など、さまざまな分野での活用に期待が集まっている。
ロボデックスでは、今後クリーン水素を利用したカーボンフリーでドローンの飛行を行い、水素ガス供給に関するインフラ設備を視野に、本格的な長時間飛行可能なドローンを提供。そして、全てのドローン関連事業者へ向けて水素燃料電池利用に向けた国産専用ドローンの開発、提供をおこなっていくという。また、物流ドローンで実証実験を行う各社と連携し、長時間飛行を可能にして国内のドローン事業の発展を加速させていくとしている。
左:日本初の飛行をした水素燃料電池ドローン
右:ドローンに搭載している特別仕様の高圧水素用複合容器(ロボデックス 代表:貝應大介氏)