加えて、同日の会議実施前から日産自動車の43%の株式を保持し、今と変わらない枠組みを維持したいとするルノー並びに、同社筆頭大株主のフランス政府筋が強く主張している「ルノー・日産BVのCEO決定はルノーの専権事項」と述べてきたトップ人事について、実際に3社協議を経て、現実に誰を推挙するのかの攻防劇が待ち受けている。
併せて、開発や調達など共有戦略についても新たな策定事案が進められるものと考えられるが、その一環として、ゴーン氏が昨年来より方向性を定めていた英国・サンダーランド工場や、フランス本国での同一プラットフォーム車に係る未来を含んだ世界の車両生産体制についても、一部はゼロから協議が重ねられる可能性も考えられる。
一方の日産自動車は、現状の企業統治の捻れを是正し「対等の関係」に見直すことに現段階では意欲を見せている。また三菱自動車工業にも、今後の流れ次第では三菱グループの「三菱金曜会」を背景とした社内事情が横たわる。
そもそもゴーン容疑者は、現段階で東京地検特捜部に拘束されているとはいえ、日産自動車の古株の取締役の地位にあり、今後のアライアンスの前進に対しては未だ難題が山積していると言っても良いだろう。( MOTOR CARSから転載 )