ルノーと日産自動車は6月10日、イスラエルのテルアビブ・アティディムパークに共同イノベーションラボの新施設「アライアンス イノベーション ラボ テルアビブ」を開設したと発表した。
新施設では、自動運転向けセンサーやサイバーセキュリティ、ビッグデータに焦点を当てて活動。両社は、このラボの開設により、現地のスタートアップ企業との協業や、イスラエル革新庁との独占的パートナーシップの加速が可能になるとしている。
ラボでは既に、Apollo Power、Argus、 AutoTalks、BrightWay Vision、Electreon、Enigmatos、IRP systems、Karamba、Moodify、 Saferide、Upstreamなど、現地の様々な段階にあるスタートアップ企業と10件以上の共同プロジェクトを実施。
コンセプトの検証とともに、スマートシティ実験区域でのプロトタイプの共同開発が可能なアティディムパークでは、1600㎡の広さを持つこのラボを、実車を使った技術検証のための空間や、オフィス空間としてスタートアップ企業に提供している。
イスラエル革新庁が選定する「テクノロジカル イノベーション ラボ」に選定されている同ラボは、スマートモビリティに特化した現地のスタートアップ企業に対し、コンセプト検証を行うための資金を提供。
スタートアップ企業や設立後間もないテクノロジー企業、起業家などに5年間で10億ドルの投資を計画するアライアンスの戦略的ベンチャーキャピタルファンド「アライアンス ベンチャーズ」と緊密に連携し、「マニブ モビリティ」に投資を実施している。
また更に、アティディムパークでスマートシティの実現を目指すスタートアップ企業向けに、実際の都市環境でのイノベーションエコシステムを提供する「シティ ゾーン」ともパートナーシップを結んでいる。
新施設の開所式には、テルアビブ市長のロン=フルダイ氏、イスラエル革新庁CEOのアハロン=アハロン氏、イスラエル交通省主任科学者のシェイ=ソファー博士、交通・建設・インフラを担当するテルアビブ副市長のマイタル=ラハーヴィ氏、テルアビブ大学地方自治体研究所代表のオーファー=パインズ氏、フランス、日本、欧州連合のイスラエル駐在大使に加え、アティディムパークCEOのサギ=ニブ氏、テルアビブのスマートシティ区域である「シティゾーン」のダイレクターを務めるギャビー=カミンスキー氏、ルノーと日産の現地輸入業者であり、同ラボの支援者でもあるカラッソ モータースCCOのアヴィ=ケニス氏など、パートナー企業各社が参加。
アライアンスからは、研究・開発を担当するアライアンスEVPの山口豪氏、研究・開発担当アライアンスDEVPのガスパー=ガスコン氏、研究・先行技術開発を担当するアライアンスSVPの浅見孝雄氏、アライアンス ベンチャーズで投資案件を担当するダイレクターのクリスチャン=ノスケ氏、先行技術担当のアライアンス グローバル ダイレクターであるソフィ=シュミートリン氏が出席した。
研究開発を担当するアライアンス副社長の山口豪氏は、以下のように話している。
「グローバルなイノベーションのハブ拠点であり、とりわけ自動車技術に強いイスラエルの地に、この新しい施設を開設することは、我々の活動を次の段階に進める上で自然な流れと考えています。
これにより、イスラエルのスタートアップ企業のエコシステムの強みを活用できるようになります。最先端の技術を持つ将来有望なスタートアップ企業との協業を通して、我々は未来のモビリティに不可欠となる様々な主要技術を開発していきます」。
また、アライアンス イノベーション ラボ テルアビブのダイレクター、アントワン=バスビル氏は、以下のように話している。
「この新施設の開設は、我々にとって特別なマイルストーンとなります。この地にラボを設立後、我々はイスラエルのエコシステムにおける取り組みを拡大させており、今回の件はその一環となります。
イスラエル革新庁、テルアビブ市、テルアビブ大学とのパートナーシップにより設立した同施設が、スマートシティから技術領域まで、多岐にわたる包括的なモビリティエコシステムの構築に貢献していくことを確信しています」。