日産自動車は6月10日、6月25日開催予定の定時株主総会における「指名委員会等設置会社移行のための定款変更に関する議案(以下、同議案)決議」に関して、ルノーから棄権する意向の書簡が届いていることを明らかにした。
その理由についてルノーは、委員会メンバーの選任にあたり、ルノーの意向が十分に反映されていないことを挙げていると云う。
これに対し日産は、同議案は、ルノーが指名した代表者も加わる取締役会が全会一致で決議したものであり、今回のルノーの棄権について、大変驚いているとコメント。また、コーポレートガバナンス強化の動きに完全に逆行するものであり、誠に遺憾であるとしている。
日産は、当時ルノー会長でもあったカルロス・ゴーン元会長らによる重大な不正を理由に、第三者委員を中心とする「ガバナンス改善特別委員会」を設置。ガバナンスの改善策や健全なガバナンス体制の在り方について協議、検討を重ね、同委員会からの提言をもとに、指名委員会等設置会社への移行を決議している。
日産は、すべての株主利益のため、ガバナンス強化のための指名委員会等設置会社への移行の必要性について、理解が得られるよう最善の努力をしていくとしている。