マツダは４月１５日、同社のVOC（Volatile Organic Compounds：揮発性有機化合物）回収技術が、第54回市村賞の「市村地球環境産業賞 貢献賞」を受賞したと発表した。

また同日、主催する市村清新技術財団による贈呈式（*1）が行われた。

市村賞は、科学技術の進歩や産業の発展に貢献した技術開発者を表彰するもの。その内、「市村地球環境産業賞 貢献賞」は、地球温暖化防止に関する産業分野を対象に贈られる。

今回、マツダが受賞したVOC回収技術は、自動車の塗装乾燥工程に於いて発生するVOCを、ヒートポンプを利用し回収処理することによって、環境負荷低減および省エネルギーを実現する技術。

マツダでは、環境負荷低減のため、材料機能と設備機能の追究によりCO2とVOCを同時削減する「アクアテック塗装（*2）」技術を、2009年から開発し、導入していると云う。

今回の技術では、燃焼によってVOCを除去する従来の方法に代えて、ヒートポンプで水蒸気を凝縮させた水（凝縮水）にVOC成分を吸着させ、水と共に回収するシステムを採用することで、塗装乾燥炉からの排気ゼロを実現。これにより従来比63％のCO2削減（年間で約710トンの削減）が見込まれる他、システム内の熱や水の再利用により、水資源や電力の節減にも貢献できるとのこと。

なお、同技術は既に、マツダの一部工場塗装ラインで導入され、順次展開が予定されている。

＜受賞概要＞

– 名称：市村地球環境産業賞 貢献賞
– テーマ：自動車塗装工程における凝縮水を用いたVOC回収技術
– 受賞者：加藤 雄／篠田 雅史／寺本 浩司

マツダは、引き続き、地球にやさしい技術と商品を創造する努力を継続し、2050年のカーボンニュートラル化に向けた挑戦を着実に進め、豊かで美しい地球と永続的に共存できる未来を目指していくとしている。

*1：「市村産業賞」、「市村学術賞」、「市村地球環境産業賞」、「市村地球環境学術賞」の4つの分野で表彰。

*2：環境にやさしい水性塗料を用い、塗装工程の集約と行程の短縮を通じてVOCとCO2排出量の削減を同時に達成。

■市村清新技術財団：https://www.sgkz.or.jp/
■（マツダ）マツダ技報：https://www.mazda.com/ja/innovation/technology/gihou/