楽天モバイルの無制限プラン「ラクテンアンリミット(Rakuten UN-LIMIT)」の累計契約申し込み数が、本格サービス開始(4月8日)からおよそ3カ月後となる6月30日、ようやく100万回線を突破した。
ラクテンアンリミットは、楽天回線エリア内のデータ通信と、他社にも例はあるが同社が自社開発を謳うスーパーコミュニケーションアプリ「Rakuten Link」を利用した国内通話が無制限に利用(注1、2、3、4)できる同社の携帯キャリアサービス唯一のプランで、世界初の完全仮想化モバイルネットワーク(注5)により設備投資や運用コストを大幅に削減し、月額2,980円という料金を実現したという。
なおパートナー回線エリア(au回線を利用)では、「データ容量5GB/月、データ容量消費後の通信速度を最大1Mbps」でサービスを提供しているが、いずれも数千万線の顧客回線を配するKDDI傘下のUQMobile、ソフトバンク傘下のY!mobileなどから楽天モバイルに対する対抗商品が出てきたため、想定の300万人自体にもなかなか到達せず、未だ苦戦が続いている。
現在も先の300万人達成を目指してラクテンアンリミットの料金が開通日から1年間無料となるキャンペーン(注6、7)や、端末購入サポートキャンペーンなど、相次いで特典(注8)を展開しているが、それでも事業状況が大きく上向く気配は見えない。
また競合他社も同じスタート地点に着いていたゆえに、当初、楽天モバイル唯一の優位点であると考えられていた5Gへのローンチについても、当初の開通予定時期から大幅に遅れ、未だ実現の気配すら見えない。そもそも傍目で見ている限り、同社ネットワークが〝完全仮想化〟出来ているのなら、5Gへの以降も容易いだろうと当初は考えられていたのだが、実際にはハードウエア設備も含め5G開通の準備がまだ整っていない可能性が高いのかも知れない。
以上のように今後の課題は山積している訳だが、まずは低価格訴求による消費者獲得と並行して、同社の携帯ブランドを応援して貰えるプレミアムな優良顧客をどれだけ取り込めるかにある。当面300万人の獲得は事業上の至上命題とは考えられるが、それにも増して純粋なファンを取り込むエールマーケティングの実現も急ぐべき課題に映る。
楽天モバイルは、今後も全国での積極的なエリア拡大や、また「楽天エコシステム」や「楽天ポイント」を活用した新たなサービスの提供などを通じて、より一層便利で快適になるよう、サービスへの反映に努めていくとしている。
※金額は別途記載のない場合(税別)。
注1:Rakuten UN-LIMIT」の詳細:https://network.mobile.rakuten.co.jp/fee/un-limit/
注2:対象エリア<楽天回線エリア:https://network.mobile.rakuten.co.jp/area/cover/>。パートナー回線エリア接続時はデータ容量5GB/月。超過後は最大1Mbpsで使用時、動画再生・アプリダウンロード等では、時間がかかる場合がある。通信速度はベストエフォート(規格上の最大速度)であり、実効速度は通信環境・状況により変動する。
注3:楽天回線として提供する基地局の電波を利用した場合に限る。利用中のデータ通信がどちらのエリアに属するかは「my 楽天モバイル」アプリの「ホーム画面」で確認。
注4:(0180)(0570)などから始まる他社接続サービス、一部特番(188)への通話については、無料通話の対象外。
注5:大規模商用モバイルネットワークとして(2019年10月1日時点)/ステラアソシエ調べ。
注6:一人1回線1度のみ対象。製品代、事務手数料、オプション料、通話料等は別費用。
注7:申し込みの状況により、人数が増加・減少する可能性がある。
注8:実施中のキャンペーン詳細については、「楽天モバイル」サービスページを参照<https://network.mobile.rakuten.co.jp/fee/un-limit/>。