楽天モバイルは5月13日、米国のイノアイ社(Innoeye 及び Innoeye Technologies)を買収する計画を発表した。
買収により、構築している5G(第5世代移動通信システム)ネットワーク用の完全仮想化クラウドネイティブ・モバイルネットワーク・プラットフォームである「Rakuten Communications Platform」をグローバル展開するため、開発体制を強化する。
イノアイ社は、米国に拠点を置くエンジニアリングテクノロジー企業で、携帯キャリア事業者(MNO)やマルチプルシステムオペレーター(MSO)向けに、クラウドプラットフォームのプロセス自動化システムなどを提供。楽天モバイルのネットワークには、同社のネットワーク運用システム(OSS)が導入されている。
今回の買収により、楽天モバイルは、イノアイ社が保有するネットワーク運用ソフトウェアの開発技術とソフトウェア開発チームを取得することになる。
楽天モバイルは、保有する仮想化モバイルネットワークの構築技術や関連する知見、ネットワークの運用支援システム(OSS)、ビジネス支援システム(BSS)、エッジコンピューティング技術や仮想化ネットワークの管理方法などを集約した5Gネットワーク用のクラウドプラットフォームである「Rakuten Communications Platform」を、完全仮想化クラウドネイティブ・モバイルネットワークを構築するシステムとして、グローバルで展開する計画を進めている。
今後、楽天モバイルは「Rakuten Communications Platform」を、世界の通信事業者が仮想化ネットワークを構築するためのソリューションとしてサービス展開し、事業者のニーズに沿った機能を提供。また、事業者が必要な機能をアプリケーションストアで購入し、開発・運用するネットワークに展開できる機能を備える予定。これにより、導入事業者は、携帯キャリアグレードの高い水準を満たした機能を素早く、かつ簡単に利用できるようになると云う。
今回の買収および「Rakuten Communications Platform」について、楽天モバイル代表取締役副社長兼CTO(最高技術責任者)のタレック・アミン氏は、以下のように話している。
「2年前の事業構想時より、楽天モバイルは、完全仮想化クラウドネイティブモバイルネットワークの構築により培った専門性や技術を、MNO他社へサービスとして提供する計画を立てていました。今回のイノアイ社買収により、必要な開発体制を整え、『クリック、購入、展開』というくらいシンプルに利用できるMNO向けクラウドプラットフォームを提供していきたいと考えています」。
また、イノアイ社CEOのラジーヴ・グプタ氏は、以下のように話している。
「イノアイ社は、楽天モバイルの一員となることを大変嬉しく思います。楽天モバイルに加わることで、今業界で起きている大変革へと参画し、オープンでスケーラブルかつセキュリティレベルが高い、クラウドベースのコミュニケーションプラットフォームを構築できるのですから。『Rakuten Communications Platform』は、業界に革新をもたらし、イノベーションを次のレベルに推し進めることになるでしょう。私たちは、この開発の一翼を担えることを楽しみにしています」。
■Innoeye:https://www.innoeye.com/index