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2024年7月17日【MaaS】

ニューモ、大阪・万博記念公園でライドシェア出発式

坂上 賢治

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newmoは7月12日、傘下の株式会社岸交と共同で大阪市域交通圏で「日本版ライドシェア」の正式運行を開始。同日午前に万博記念公園にてライドシェア出発式を開催した。当日は、実際に運行予定のライドシェアドライバー6名が参加。ドライバーに応募した背景や運行への意気込みを語った。

 

 

なお「日本版ライドシェア」は、移動の足不足解消を目的に2024年4月から開始されたタクシー事業者の管理の元で一般のドライバーが自家用車で利用客を運ぶ制度(自家用車活用事業)を指す。

 

大阪に於いても行政府指導の下、タクシーが不足する地域・時期・時間帯に限り、運行が認められている。大阪市域交通圏では、金曜日の16時〜19時台と、土曜日の深夜0〜3時台および16〜19時台の時間帯に限りライドシェアの運行が認められており、5月31日から順次運行が開始されている。

 

 

newmoの各ライドシェアドライバーのコメント(抜粋)は以下の通り

 

10年間トラックのドライバーをやってきましたが、二種免許・旅客にもチャレンジしてみたいと思っていたところでライドシェアドライバーという仕事を知り、参加することにしました。新しいサービスなので盛り上げていきたいです。(30代・男性)

 

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大阪・関西万博が始まるので、ますます需要も増えそうなライドシェアに参加し、社会貢献になれば嬉しいです。安心・安全に加えて、「乗ってよかった」「また乗りたい」と思っていただける乗車体験にしていきたいです。(40代・男性)

 

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接客が好きなので、お客様と会話をする機会ということでライドシェアに応募しました。英語も勉強中なので、海外のお客様ともコミュニケーションをしていきたいです。(40代・男性)

 

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海外でライドシェアを使う機会が多く、「日本でもあったらいいのに」と思っていたところに、ライドシェアのサービスが始まったので参加することにしました。本業の接客業の経験で培った経験と語学力を活かしていきたいと思います。(40代・女性)

 

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主夫をしていますが、子供が大きくなり時間がとれるようになってきたのでライドシェアの仕事に応募をしました。今後の希望としては、規制が緩和され働ける時間が長くなっていくと嬉しいと思います。(40代・男性)

 

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海外に行く機会が多く、以前から「日本にはなぜライドシェアがないのか」と不思議に思っていました。今回、いろいろな限定がありながらも解禁されたので、自分でも一度やってみたいと思い応募しました。(30代・男性)

 

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出発式に登壇したnewmo代表取締役CEOの青柳直樹氏は、「今年1月に会社を設立し、約半年間の準備を経て本日を迎えられたことを大変嬉しく思います。私からは三点お話しします。

 

まず、大阪で「新たなタクシーの進化の形」をライドシェアと共に示していきたいと考えています。今年の春には株式会社岸交に資本参加し、先週には株式会社未来都がnewmoグループに参画、現在大阪で600台以上のタクシーを運行しています。

 

移動のインフラを担う責任が大きい事業者になったと受けとめています。これまで培われた運行管理等のノウハウを活かしながら、その進化の形の一つとしてライドシェアも展開し、「新たなタクシーの進化の形」を作り上げたいと思います。

 

次に、大阪で新しいライドシェアサービスを開始するにあたり、品質や利便性、安全性は我々事業者が責任を持って担っていきますが、同時にドライバーの皆様と共にサービスを作り上げたいと考えています。多くのお客様が初めての体験となるため、実際にご利用いただき「こういうサービスが増えてほしい」と感じてもらえる体験を提供していきたいと思います。

最後に、大阪・関西万博に強くコミットしていきます。私自身も大阪で週の半分以上を過ごし、テスト運行として大阪市内でライドシェアのドライバーを行うなど準備をすすめてきました。

 

2日間で10組のお客様にご乗車いただき、海外からのお客様もスムーズにご利用いただきました。国内のお客様も、最初は驚かれましたが〝頑張ってください〟と励ましの言葉をいただきました。万博期間中、多くのお客様が大阪を訪れる中で、newmoのサービスを選んでいただけるように全力で事業を作っていきます」と述べた。

 

 

また岸交の代表取締役を務める中塚貴志氏は、「ライドシェアに対しては、海外での事例を見て「大丈夫か?」と不安を感じる方もいらっしゃるかと思います。

 

日本にタクシーが導入されてから100年以上経ちますが、過去にはサービスの品質に課題があった時代もありました。しかし、その後、先人たちの努力により、日本のタクシーは世界に誇れる素晴らしいサービスへと進化しました。

 

ライドシェアも同様に、まだ始まったばかりであり、平坦な道ではないかもしれません。しかし、これまでタクシー会社が培ってきた安心・安全、そして快適なサービスの確立を参考にしながら、ライドシェアに取り入れていくことで、新たなタクシー会社をnewmoと共に創り上げていきたいと考えています」と語った。

 

 

更にnewmo Co-Founder/COOの野地春菜氏は、「私たちは5月30日に運輸局から許可を頂いてから、ドライバーの面接・研修を進めてきました。募集を開始してから数千人の方にご応募をいただくなど、予想を上回る反響でライドシェアサービスへの期待の高まりを感じています。

 

本日ご参加いただいたドライバーの皆様は、様々なバックグラウンドや理由でご応募いただきましたが、「得意な運転で大阪を盛り上げたい」「万博を盛り上げたい」「移動に困っている人の役に立てるなら嬉しい」という声が共通しています。newmoとしても、そうした想いをサポートできることを、とても嬉しく思っています。

 

今後、newmoではしっかりした運行体制でドライバーの皆さんをバックアップしていきます。そのために、安心・安全に運行いただくためのテスト走行や、何かあった際の保険の整備、カスタマーサポートの体制構築などにも取り組んできました。今日から大阪の街を走っていただけるよう、しっかりサポートしていきます」とコメントした。

 

 

これによりnewmoグループは、同日16時から4台のライドシェア車両が正式運行を開始。出発式では、各ドライバーが運行の準備を行った後、出発のデモンストレーションを実施。司会の「出発進行!」の合図にあわせ、拍手に送られ車両が出発した。

 

法人名:newmo株式会社
所在地 :東京都港区虎ノ門5丁目9番1号 麻布台ヒルズガーデンプラザB 4階
代表取締役CEO :青柳直樹
設立 :2024年1月4日
事業概要:タクシー・ライドシェアサービスの運営
WEBサイト:https://newmo.me/

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

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日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

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株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。