電脳交通は7月1日、日本初の「電話配車による事前確定運賃サービス機能」を、全国のタクシー事業者へ提供開始したと発表した。
全国に先駆けて、広島県の協同組合タクシーセンターでの導入が決定し、8月以降に運行開始を予定している。
社会を支える重要なインフラであるタクシー業界は、IT化の遅れや、就労者の平均年齢約60歳という高齢化など、さまざまな課題を抱えている。また利用者の高齢化も同様に進んでいることから、ごく一部の都市部を除き、地方では電話での配車リクエストによるタクシー利用が約75%を占めているという。
事前確定運賃は国土交通省が2019年から認可した新しい料金体系で、乗車前に運賃とルートが決まるため、タクシー乗車時の不安要素である「到着まで金額がわからない」「渋滞に巻き込まれて料金が高くなるかも」といった点を払拭して乗車することができる。
しかし現状は特定の配車アプリ経由でしか利用できないため、配車アプリが普及していない地域や、スマートフォンアプリを使いこなせない高齢者向けにタクシー事業者がサービスを提供することは困難であった。
電脳交通の事前確定運賃サービスは、これまでのように特定の配車アプリを利用することなく、乗客が電話でタクシー配車を注文した際に配車室のオペレーターが運行ルートと運賃を迅速に算出でき、乗客に運賃を伝えると共に配車する車両に搭載されたタブレットへ配車指示を送信できる。即時配車・予約配車どちらにも対応可能であり、割増時間帯が含まれる場合や有料道路を経由する場合、また障害者割引など割引・割増の適用にも対応することができる。
8月以降、広島県のタクシー会社3社が加盟する「協同組合タクシーセンター」で運行を開始。また7月1日より日本全国の「電話注文経由での事前運賃確定サービス」を提供したいタクシー事業者向けに、システムの提供を開始する。