トヨタ・プリウスは9月12日(米国テキサス州プレイノ発)、米国西海岸から東海岸までを横断する低燃費運転でギネス世界記録を獲得した。
より具体的には今夏初めにプリウスは、ロサンゼルス市庁舎からニューヨーク市庁舎までを走破。全行程を通して平均燃費93,158MPG(マイル毎ガロン/約39.6km/L)を達成した。これは70MPG台半ばだった以前の記録を大幅に破るものとなった。
この成果に米国トヨタでマーケティンググループ副社長を務めるマイケル・トリップ氏は、「プリウスは過去23年間、私たち全員を感動させてきましたが、今日に至った現在に於いても私たちを驚かせ続けています。私たちにとって、世界最高燃費記録は、プリウスへの搭載技術が、今日に於いても自動車エンジニアリングの最先端であることを示す証拠となっいます」と述べた。
なお、この長丁場に果敢に挑戦したのは、当地で自動車燃費の限界に挑戦する「ハイパーマイル」にハマまった人々のひとり。
今回挑戦したウェイン・ガーデス氏は、トータル3,211.7マイル旅して、様々な地形や予測できない天候を経験した。実際に彼はプリウスを運転して標高7,000フィートの山を登り、気温が105度(米国規格)を超えるモハーベ砂漠などの過酷な場所を走った。
またメキシコ湾から吹く強風にも耐えた。こうした過酷な環境は、プリウスのような一般車両が厳しい状況でも優れた効率性を発揮できることを示したと言えると米国トヨタでは謳っている。
ガーデス氏は、「このような記録に挑戦するには、多くの計画が必要です。何も見ずにいきなり挑戦することはできません。計画を立てなければなりません。
しかも一旦、走り出したら臨機応変に対応できなければなりません。ですから状況が変われば、計画を変更する臨機応変さも必要です。目標を達成するためには、何ができるかを考え、素早くルートを変更しなければなりません」とコメントしている。
更にガーデス氏は、日常的に運転するドライバーに燃費を改善するための簡単なヒントも提案している。それは停止状態からの発進はゆっくりにし、アクセルペダルに均等に圧力をかけること。
また停止状態が近い場合は、早めにアクセルを緩め、停止状態に近づくにつれて車両の勢いを利用して滑走すると燃費が大幅に改善されると、ごくごく地味な燃費運転の極意を示唆した。
最後に、今回のギネス世界記録の称号は、新型プリウスにとっては30番目の獲得となるもの。その他でプリウスにちなむ注目すべき受賞には、Car and Driverの10ベスト、MotorTrend Car of the Year、North American Car of the Year、World Car Design of the Yearなどがあると結んでいる。