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2024年9月13日【イベント】

プリウス、全米横断で最高燃費のギネス世界記録を樹立

坂上 賢治

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トヨタ・プリウスは9月12日(米国テキサス州プレイノ発)、米国西海岸から東海岸までを横断する低燃費運転でギネス世界記録を獲得した。

 

より具体的には今夏初めにプリウスは、ロサンゼルス市庁舎からニューヨーク市庁舎までを走破。全行程を通して平均燃費93,158MPG(マイル毎ガロン/約39.6km/L)を達成した。これは70MPG台半ばだった以前の記録を大幅に破るものとなった。

 

この成果に米国トヨタでマーケティンググループ副社長を務めるマイケル・トリップ氏は、「プリウスは過去23年間、私たち全員を感動させてきましたが、今日に至った現在に於いても私たちを驚かせ続けています。私たちにとって、世界最高燃費記録は、プリウスへの搭載技術が、今日に於いても自動車エンジニアリングの最先端であることを示す証拠となっいます」と述べた。

 

なお、この長丁場に果敢に挑戦したのは、当地で自動車燃費の限界に挑戦する「ハイパーマイル」にハマまった人々のひとり。

 

 

今回挑戦したウェイン・ガーデス氏は、トータル3,211.7マイル旅して、様々な地形や予測できない天候を経験した。実際に彼はプリウスを運転して標高7,000フィートの山を登り、気温が105度(米国規格)を超えるモハーベ砂漠などの過酷な場所を走った。

 

またメキシコ湾から吹く強風にも耐えた。こうした過酷な環境は、プリウスのような一般車両が厳しい状況でも優れた効率性を発揮できることを示したと言えると米国トヨタでは謳っている。

 

ガーデス氏は、「このような記録に挑戦するには、多くの計画が必要です。何も見ずにいきなり挑戦することはできません。計画を立てなければなりません。

 

しかも一旦、走り出したら臨機応変に対応できなければなりません。ですから状況が変われば、計画を変更する臨機応変さも必要です。目標を達成するためには、何ができるかを考え、素早くルートを変更しなければなりません」とコメントしている。

 

更にガーデス氏は、日常的に運転するドライバーに燃費を改善するための簡単なヒントも提案している。それは停止状態からの発進はゆっくりにし、アクセルペダルに均等に圧力をかけること。

 

また停止状態が近い場合は、早めにアクセルを緩め、停止状態に近づくにつれて車両の勢いを利用して滑走すると燃費が大幅に改善されると、ごくごく地味な燃費運転の極意を示唆した。

 

最後に、今回のギネス世界記録の称号は、新型プリウスにとっては30番目の獲得となるもの。その他でプリウスにちなむ注目すべき受賞には、Car and Driverの10ベスト、MotorTrend Car of the Year、North American Car of the Year、World Car Design of the Yearなどがあると結んでいる。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

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1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

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日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

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株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

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1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。