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2022年4月8日【エネルギー】

岸田総理、ロシアからの石炭等禁輸・石油の備蓄放出を発表

NEXT MOBILITY編集部

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岸田内閣総理大臣は4月8日、総理大臣官邸での記者会見で、ロシアによるウクライナ侵攻に対するロシアへの追加制裁とウクライナへの支援、また石油備蓄の放出について、以下の通り発表した。

首相官邸・ロゴ

1.ロシアへの追加制裁

 

以下、5つの柱から成る追加制裁を科す。

 

①ロシアからの石炭輸入を禁止

段階的な輸入削減でエネルギー分野でのロシアへの依存を低減。夏や冬の電力需給逼迫を回避するため、再エネ、原子力などエネルギー安保および脱炭素の効果の高い電源の最大限の活用を図る。

 

②ロシアからの輸入禁止措置の導

機械類、一部木材、ウオッカなどのロシアからの輸入について、来週、これを禁止する措置を導入する。

 

③ロシアへの新規投資を禁止

G7とも連携し、速やかに新規投資の禁止措置を導入する。

 

④金融制裁の更なる強化

ロシアの最大手銀行のズベルバンクおよびアルファバンクへの資産凍結を実施。

 

⑤資産凍結の対象の更なる拡大

400名近くのロシア軍関係者や議員、更には国有企業を含む約20の軍事関連団体を新たに制裁対象に加える。これにより、資産凍結の制裁の対象となる個人は合計約550名、団体は合計約40団体へと広がる。

 

 

2.ウクライナ人および在留邦人の支援

 

①ウクライナ周辺国への人的貢献

政府では、既にモルドバにJICA(独立行政法人国際協力機構)のニーズ調査団を派遣し、保健医療分野のニーズ調査に加え、WHO(世界保健機関)と連携した形で現地の医療データ管理等に貢献しているが、今週から、PKO(国連平和維持活動)の政府調査団も派遣する。また、現地のニーズも踏まえ、更なる人的貢献を速やかに具体化する。

 

②ウクライナ避難民受入れと在留邦人支援

ウクライナ避難民が、今後とも円滑に日本渡航できるよう、当面、毎週、政府がポーランドとの直行便の座席を借り上げ、日本への渡航を支援。その第1便を4月8日(発表日当日)、日本に向けて出発させる。ウクライナ在留邦人についても、自力で渡航手段を確保することが困難な人については、この便を利用できるようにする。

 

 

3.石油備蓄の放出など(4月7日決定)

 

・IEA(国際エネルギー機関)加盟各国とも協調し、日本としてIEAの割当て量の1.5倍の1,500万バレルの備蓄を放出する。

 

・原油価格や物価の高騰による国民生活への影響に対し、緊急かつ機動的に対応するため、4月中に原油価格・物価高騰等総合緊急対策を取りまとめる。

 

 

■IEA(英語):https://www.iea.org/

 

 

 

 

[8日会見での岸田総理冒頭発言(原文ママ)]

 

本日は、ロシアによるウクライナ侵略に対する我が国の更なる制裁を中心にお話させていただきます。

 

ロシアによる残虐で非人道的な行為がキーウ近郊のブチャのみならず、ウクライナ各地で次々と明らかになっています。ロシアは、これまでも民間人の殺害や原子力発電所に対する攻撃など、重大な国際人道法違反を繰り返してきました。断じて許されない戦争犯罪です。こうしたロシアによる非道な行為の責任を厳しく問うていかなければなりません。こうした観点から、我が国として国際刑事裁判所(ICC)による調査や国連による独立した調査を支持いたします。我が国のICCへの分担金の支払を前倒しして行うなど、ICC検察官による戦争犯罪の捜査を後押ししてまいります。

 

昨晩、ロシア軍による残虐行為を最も強い言葉で非難し、ウクライナへの連帯を示すとともに、G7としての追加的な対露制裁措置を採ることを表明するG7首脳声明が発表されました。このG7首脳声明を踏まえ、我が国はロシアに対し、次の5つの柱から成る追加制裁を科し、ロシアに対する外交的、経済的圧力を強化いたします。
 これ以上のエスカレーションを止め、一刻も早い停戦を実現し、侵略をやめさせるため、国際社会と結束して強固な制裁を講じてまいります。

 

第1に、ロシアからの石炭の輸入を禁止いたします。早急に代替策を確保し、段階的に輸入を削減することでエネルギー分野でのロシアへの依存を低減させます。夏や冬の電力需給逼迫(ひっぱく)を回避するため、再エネ、原子力などエネルギー安保及び脱炭素の効果の高い電源の最大限の活用を図ってまいります。

 第2に、ロシアからの輸入禁止措置の導入です。機械類、一部木材、ウオッカなどのロシアからの輸入について、来週、これを禁止する措置を導入いたします。

 第3に、ロシアへの新規投資を禁止する措置を導入いたします。G7とも連携し、速やかに措置を導入いたします。

 第4に、金融制裁の更なる強化です。ロシアの最大手銀行のズベルバンク及びアルファバンクへの資産凍結を行います。

 第5に、資産凍結の対象の更なる拡大です。400名近くのロシア軍関係者や議員、更には国有企業を含む約20の軍事関連団体を新たに制裁対象に加えます。これにより、資産凍結の制裁の対象となる個人は合計約550名、団体は合計約40団体へと広がります。

 

次に、ウクライナの方々に寄り添った支援及び在留邦人支援について、2点申し上げます。

 

第1に、ウクライナ周辺国への人的貢献です。既にモルドバにJICA(独立行政法人国際協力機構)のニーズ調査団を派遣し、保健医療分野のニーズ調査に加え、WHO(世界保健機関)と連携した形で現地の医療データ管理等に貢献しています。また、今週からは、PKO(国連平和維持活動)の政府調査団も派遣いたしました。現地のニーズも踏まえ、更なる人的貢献を速やかに具体化してまいります。

 第2に、ウクライナ避難民受入れ及び在留邦人支援についてです。昨日も申し上げましたが、ウクライナ避難民の方々が、今後とも円滑に我が国に渡航できるようにするため、当面、毎週、政府がポーランドとの直行便の座席を借り上げ、我が国への渡航を支援いたします。その第1便は、早速本日、日本に向けて出発いたします。ウクライナ在留邦人についても、自力で渡航手段を確保することが困難な方については、この便を利用できるようにいたします。

 

ロシアのウクライナ侵略によってエネルギーや食料の価格が高騰しています。我が国のみならず、世界各国の人々がガソリン価格、電気代、食材価格などの高騰に苦しんでいます。エネルギー市場を安定化させるため、昨日発表しましたが、IEA(国際エネルギー機関)加盟各国とも協調し、日本としてIEAの割当て量の1.5倍の1,500万バレルの備蓄を放出することといたしました。日本として初めての国家備蓄の放出です。引き続き日本としてできることにしっかりと取り組んでまいります。
 また、政府としては、この原油価格や物価の高騰による国民生活への影響に対し、緊急かつ機動的に対応するため、4月中に原油価格・物価高騰等総合緊急対策を取りまとめます。国民の皆様の生活を守るために、国際、そして国内、双方で最大限の対策を迅速に講じてまいります。非道な侵略を終わらせ、平和秩序を守るための正念場です。国民の皆さんの御理解と御協力をよろしくお願いいたします。

 

先日、ゼレンスキー大統領は、日本の国会演説において、ロシアに対してアジアで最初に圧力をかけたのは日本、制裁を続けてほしい。また、ロシアが平和を追求するようになるために努力をしよう。こうした切実な思いを我々に対して訴えました。こうした声に日本はしっかりと応えていきます。
 G7を始めとした関係国と連携して、日本が、国際社会が、ロシアによる暴挙を決して許さないこと。そして、日本がウクライナと共にあることを断固たる行動とウクライナの方々に寄り添った支援で示してまいります。

ありがとうございました。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。