ポルシェ タイカンは1月14日、北極圏のラップランドに於いてBEVによる氷上ドリフト最長距離のギネス世界記録を樹立した。
このギネス世界記録への挑戦には、ポルシェ エクスペリエンスのインストラクターのイェンス・リヒター氏が、タイカンGTSのハンドルを握り、スロットルとステアリングのみを操作しつつオーバーステアをコントロールして46分・合計132周(17.503km)を完走した。
この新記録の樹立により、ポルシェのBEVスポーツカーは前回の記録14.809kmを破って4度目のギネス世界記録のタイトルを獲得した。
今回、記録挑戦に挑んだのは1月14日の午後、ギネス世界記録の公式審査員カール・サヴィル氏による監視の下、北極圏の北約150キロに位置するフィンランドのレヴィにあるポルシェ アークティック センターの氷上コースで開始。
同挑戦にあたりポルシェ エクスペリエンス チームは、直径59メートルのドリフト サークルを構築。記録挑戦を成功させるために市販の1ミリのスパイク付きミシュラン タイヤがタイカンGTSに装着された。
加えてこのタイカンGTSには、走行ルートを正確に測定するためのプロ仕様のGPS測定装置を搭載。これは移動距離を記録するだけでなく、ステアリングの動き、アクセルとブレーキ操作の記録、車両に作用するGフォースなどのドライバーの動作も記録されるもの。
ドライバーを務めたイェンス・リヒター氏は、「1度目の挑戦では、タイカンのドリフト走行による負荷で氷の路面が予想よりも早く劣化したため、およそ11キロ走行した時点で最初の試みを中止しなければなりませんでした。
その後の2 回目の試みでは、短いスパイクに切り替え、日が暮れるに連れて氷の温度が再び下がるという事実を利用し、成功のチャンスを掴みました。ギネス世界記録のタイトルが確定したことで、タイカンGTSが氷上で非常にうまく制御できるという事実を証明しています。それは、このタイカンが優れたシャーシとバランスの取れた性能を持っていることを物語っています」と語った。
記録達成を見届けたギネス公式審査員のサヴィル氏は、ドライバーのイェンス・リヒター氏とポルシェ アークティックセンターのマネージング ディレクターで、ポルシェAGのポルシェ エクスペリエンスおよびニュー プラットフォームの責任者のクリスチャン・レーヴァルト氏に記録証明書を授与した。
そのレーヴァルト氏は、「当社の体験型マーケティング アプローチでは、常に珍しいことに挑戦します。ポルシェ アークティック センターでは、氷上でドリフトするのに非常に良い条件が揃っています。
新型タイカン GTS は、市場で最もパワフルなBEVの1台です。そのゆえ、タイカンGTS、市販の1ミリのスパイク付きミシュラン タイヤ、北極圏を舞台にしたポルシェ アークティック センターの氷上コース、ドライバーのリヒター氏の組み合わせで世界記録を破れることを確信していました」と結んだ。
なお、ポルシェ アイス エクスペリエンス・ラップランドに於けるポルシェ流のウィンター スポーツは、これまで多くのファンを獲得してきた人気の施設。毎年1,500人を超える参加者が雪と氷のなかで多彩なサポートプログラムを愉しんでいる。
ポルシェ アークティック センターのエリアは30万平方メートルの面積をカバーしており、ドライバーが好むトレーニング レベルでトレーニングを満喫できる。2025年シーズンに向けては、数多くのF1コースを設計したヘルマン ティルケ氏がトラックを完全刷新するなどして拡張されている。