パイオニアは4月25日、送迎用バスの置き去りを防止する「降車時確認機能」と「自動検知機能」を搭載し、国土交通省ガイドラインに基づく認定を受けた「NP1」特別仕様の出荷を開始した。
ちなみに今年4月に義務化された「送迎バスの置き去り防止安全装置」の設置には、未だ1年間の経過措置が設けられているものの、今年の初夏から夏場に掛けて車内温度上昇に伴う熱中症リスクが高まるのは必至だ。
そこで保育の現場に於いては、今夏に於ける万全のリスク管理を目指すべく「やる気スイッチグループ(東京都中央区)」が運営するバイリンガル幼児園キッズデュオインターナショナル(KDI: Kids Duo International)センター南・三鷹と、学校法人えのもと学園/川越幼稚園(埼玉県)が今回、保有する全ての園バスへ特別仕様の「NP1」導入を決め、これを受けたパイオニアは対応製品の出荷を始動させた。
なお国土交通省のガイドラインに基づく認定を受けた製品は、現在40製品があり、「降車時確認式」、「自動検知式」、その両方を兼ね備えた「併用式」の3種類がある。
このなかで厳格な技術要件と高機能を有する「併用式」は、パイオニアの「NP1」を含めて7製品(2023年4月25日現在)が存在する。
今回、良園で導入を決めた「NP1」は元々、次世代通信型ドライブレコーダー、スマート音声ナビ、Wi-Fiスポット機能などを搭載して2022年3月に発売したAI搭載型の会話するオールインワンナビだ。
同製品を下敷きとした「NP1」特別仕様は、元来持っているセキュリティ監視機能に、車内の置き去り事故防止機能の「降車時確認機能」と、独自の通信機能を活かした「自動検知機能」を追加搭載したモデルとなる(従って2年目以降は通信機能の更新料が必要)。それゆえ通常の「NP1」とは購入・設置方法やサービス内容などが異なるモデルとなっている。
そうした経緯から「NP1」特別仕様は、マイクの集音とカメラによる映像を組み合わせた捕捉技術を子供達の素早い検出に生かしたモデルとなっている。具体的には子どもの泣き声や叫び声を音で捕捉。更にカメラによるAI画像解析で子ども達の姿を二重で自動検知。ヒューマンエラーによる置き去りを阻止する補助的な役割を果たすものとなっている。
また置き去り警告は、バスの警報音やスマートフォンのSMS通知を使いヒューマンエラーによる点検忘れで抑止する仕組みだ。併せて設置後も「通信」による自動アップデートで機能追加や操作性の改善などを行う。
パイオニアでは、「企業ビジョン“未来の移動体験を創ります”を掲げ、モビリティ領域に於ける様々な社会課題解決に取り組む当社は、事業を通じて事故リスク削減に積極的に取り組み、子ども置き去りによる事故ゼロの実現をサポートしていきます」と話している。