3社による協業イメージ
パイオニアは11月16日、国際航業、GDBLと協業する。具体的には、地方自治体向けの「地域CO2排出量可視化&再エネ導入経済効果試算ソリューション」の共同開発に取り組むと発表した。
ちなみにこの3社が、脱炭素ソリューションの共同開発に漕ぎ出した理由は、政府の2050年のカーボンニュートラル達成目標を視野に、企業だけではなく、地方自治体、地域の金融機関など、様々な法人に於いて脱炭素への取り組みが急務となってきているため。
例えば、地方自治体の地球温暖化対策実行計画では、自治体が所有する施設や車両を対象とした「事務事業」だけではなく、区域の事業者や住宅等を対象にした「区域施策」でも高いCO2排出量削減目標が求められる。
しかし自治体も事業法人も「CO2排出量の多い重点対策エリア(ホットスポット)の把握が難しく、施策の優先順位を付けられなかったり、太陽光発電装置や蓄電池の実装。EV(電気自動車)の普及をどう促進させるのか、などの施策づくりで多くの課題を抱えている。
そこで3社は、まず第一にパイオニアが、クラウドプラットフォーム「Piomatix for Green(パイオマティクス・フォー・グリーン)」を活用した車の運転に伴う高精度なCO2排出量可視化技術を提供。
第二に、GDBLは電力スマートデータを活用した地方自治体向けの地域CO2排出量可視化サービス「ZeroCa(ゼロカ)」を提供。
更に国際航業は、太陽光・蓄電池・EV・V2H経済効果シミュレーター「エネがえる」を提供。この3つのソリューションを組み合わせた新たなサービス・ソリューション(地域全体を一括りにしたCO2排出量の可視化とCO2削減支援サービス)を展開していく。
パイオニア+国際航業+GDBLの3社は、この新たなサービス・ソリューションを「エコがえる」という新名称に仕立てて、2024年春から国際航業を窓口に提供する構え。
ソリューション提供の対象(ターゲット)は以下の通り
- 脱炭素を推進する自治体
- 多店舗・多拠点展開する大手事業者
- 脱炭素を支援する地域の金融機関やエネルギー事業者
協業による提供価値は以下の通り
(1)誰でも簡単かつスピーディーに、地域の面的なCO2排出量や道路単位・経路単位の車両のCO2排出量を可視化する。
(2)電力スマートメーターデータを活用した都道府県・市区町村単位の地域CO2排出量可視化ツールと、自動車走行実績データを活用した道路・経路単位のCO2排出量可視化ツールを誰でも簡単にパッケージとして提供する。
(3)CO2排出量削減策や住民、従業員の行動変容施策実施後の効果検証の仕組みを簡単に構築可能としていく。
(4)エビデンスをベースに、都道府県別・市区町村別の地域単位、道路・経路単位でのCO2排出量削減策実施後の効果検証ツールとしても利用可能。更にオプションで、個別施設ごとや自動車など車両単位での測定も可能にする。
(5)CO2排出量可視化後、地域の事業者を巻き込んで「自家消費型太陽光発電・蓄電池・EV・V2Hなどの導入施策」を推進するための仕組みを簡単に構築し、PDCAサイクルを回すことで、エビデンスを基に地域単位のカーボンニュートラル戦略を手軽に素早く実施できるようにする。
なお今後3社は、「地域単位のCO2排出量可視化 → 削減策としての太陽光発電・蓄電池・EV等の導入支援 → 削減策による効果検証」という一連のワンストップソリューションとして仕立てて提供していく。
また将来的には、API連携によるプロダクトや、データの自動連携で環境価値と経済効果をセットで把握できるツール、地域単位でのEV充電スポット需要予測サービスなど、より強力なカーボンニュートラル推進サービスを提供していくという。