パイオニアとHERE Technologies(HERE)は12月5日、二輪車向けの直感的なユーザーエクスペリエンス(UX)を実現するデバイスおよびコネクテッドサービスの共同開発を開始する。両社は、この協業を通じて、安心・安全で快適なライディング体験をグローバルに提供することを目指す。
両社は予てより、パイオニアの車載機器関連技術とHEREの地図を組み合わせ、業界トップクラスの規模と品質で、世界中で自動車向けのナビゲーションシステムを提供してきた。
今後は上記を踏まえ、車室内のインフォテインメントやモビリティサービス導入を検討している自動車向けだけでなく、より幅広い産業に対し位置情報を様々なサービスと連携させる“ロケーションインテリジェンス”を活用した新ビジネスに注力していく構えだ。
そこで関連する一環として、まずアジア太平洋地域で引き続き成長が見込まれる二輪市場向けに、HEREのロケーションプラットホームとパイオニアの新たなUXを導入した二輪向けデバイス並びにAIソリューションも組み合わせて提供していくという。より具体的な協業内容は以下の通り。
(1)二輪車メーカー向けの提案
車両向けの純正メータークラスターや、ディーラーオプション、既販車向けのスマートディスプレイなどの車載デバイス。更にそれらのデバイスと連携し新たなユーザー体験を生み出すコネクテッドサービスを提供する。例えば、電動スクーターや電動自転車、新しいコンセプトの車両などを対象に手頃な価格帯で、コネクテッド化、インテリジェンス化を図り、進化・拡大するマイクロモビリティ市場に向け、安全性も高められる新たなソリューションサービスを提供する。
(2)運送業、車両管理企業向けソリューション
商用二輪車向けのデバイスおよびデバイスと連携するコネクテッドサービスの提供。ラストワンマイルの課題を解決するマイクロモビリティ向けの位置情報サービスの提供。EV化が加速する商用二輪車の管理を支援するための位置情報コンテンツやサービスの提供を目指す。
(3)損害保険会社向けソリューション
ライディングの安全性向上および交通事故の削減に貢献するソリューションの提供を目指す。
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各社の役割は以下の通り
パイオニア
– 二輪車向け車載デバイスの企画、開発、販売、保守
– スマートフォン向け「HERE SDK」と二輪車向け車載デバイスを連携する「PIONEER RIDE CONNECT SDK(仮)」の企画、開発、提供
– 「HERE SDK」と連携するAI & コネクテッドサービスの企画、開発、提供
– HEREロケーションサービスの製品ライセンスの再販
HERE
– 二輪車(EV/マイクロモビリティを含む)に特化したLBS機能、コンテンツ、サービス(HERE SDK)の企画、開発、提供。
– パイオニアの「PIONEER RIDE CONNECT SDK(仮)」の企画、開発、保守の支援
– OEM、商用フリート、損害保険向けのパイオニア二輪車向け車載デバイスおよび関連ソリューションサービスの共同マーケティング、販売支援
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スケジュールとロードマップ
2025年1月7日から米国ラスベガスで開催されるCES2025のパイオニアブース(LVCC, West Hall – 3528)にて当該ソリューションを初公開する予定。併せてイベント展開でも二輪車技術とコネクテッドモビリティの未来に対する両社のビジョンを提示すると共に、今後共同で開発を進め、2026年中の本格導入を目指す。
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両社のコメントは以下の通り
パイオニア株式会社 執行役員 事業開発・戦略パートナーアライアンス担当 種澤 成治
このたびのHEREとの協業により、二輪車ユーザー向けに新たな体験を提供できることを大変嬉しく思っています。車載デバイスとHMIの豊富な開発実績を持つ当社は、二輪車向けコネクテッドサービス、AI活用ソリューションのR&Dを推進しており、2023年には二輪車最大市場のインドに研究開発拠点を新設し、商品・サービスをタイムリーに開発してグローバルに提供する体制を構築しています。今後、両社でイノベーティブなモビリティソリューションを提供できると確信しています。
HERE Technologies副社長兼アジア太平洋担当部長 ディオン・ニューマン(Deon Newman)
HEREは、この革新的なソリューションを二輪車ライダーの皆様に提供するため、パイオニアと協業できることをとても嬉しく思います。HEREの優れた位置情報技術とパイオニアの革新的なユーザーエクスペリエンスにより、ライダーの皆様に新しい接続性と安全性を実現します。このパートナーシップは、全てのライダーに向けたコネクテッドモビリティの普及に向けた大きな一歩です。