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2024年12月5日【MaaS】

パイオニアとHERE、二輪車向けコネクテッドサービスで協業

坂上 賢治

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パイオニアとHERE Technologies(HERE)は12月5日、二輪車向けの直感的なユーザーエクスペリエンス(UX)を実現するデバイスおよびコネクテッドサービスの共同開発を開始する。両社は、この協業を通じて、安心・安全で快適なライディング体験をグローバルに提供することを目指す。

 

両社は予てより、パイオニアの車載機器関連技術とHEREの地図を組み合わせ、業界トップクラスの規模と品質で、世界中で自動車向けのナビゲーションシステムを提供してきた。

 

今後は上記を踏まえ、車室内のインフォテインメントやモビリティサービス導入を検討している自動車向けだけでなく、より幅広い産業に対し位置情報を様々なサービスと連携させる“ロケーションインテリジェンス”を活用した新ビジネスに注力していく構えだ。

 

そこで関連する一環として、まずアジア太平洋地域で引き続き成長が見込まれる二輪市場向けに、HEREのロケーションプラットホームとパイオニアの新たなUXを導入した二輪向けデバイス並びにAIソリューションも組み合わせて提供していくという。より具体的な協業内容は以下の通り。

 

(1)二輪車メーカー向けの提案
車両向けの純正メータークラスターや、ディーラーオプション、既販車向けのスマートディスプレイなどの車載デバイス。更にそれらのデバイスと連携し新たなユーザー体験を生み出すコネクテッドサービスを提供する。例えば、電動スクーターや電動自転車、新しいコンセプトの車両などを対象に手頃な価格帯で、コネクテッド化、インテリジェンス化を図り、進化・拡大するマイクロモビリティ市場に向け、安全性も高められる新たなソリューションサービスを提供する。

 

(2)運送業、車両管理企業向けソリューション
商用二輪車向けのデバイスおよびデバイスと連携するコネクテッドサービスの提供。ラストワンマイルの課題を解決するマイクロモビリティ向けの位置情報サービスの提供。EV化が加速する商用二輪車の管理を支援するための位置情報コンテンツやサービスの提供を目指す。

 

(3)損害保険会社向けソリューション
ライディングの安全性向上および交通事故の削減に貢献するソリューションの提供を目指す。

 

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各社の役割は以下の通り

 

パイオニア
– 二輪車向け車載デバイスの企画、開発、販売、保守
– スマートフォン向け「HERE SDK」と二輪車向け車載デバイスを連携する「PIONEER RIDE CONNECT SDK(仮)」の企画、開発、提供
– 「HERE SDK」と連携するAI & コネクテッドサービスの企画、開発、提供
– HEREロケーションサービスの製品ライセンスの再販

 

HERE
– 二輪車(EV/マイクロモビリティを含む)に特化したLBS機能、コンテンツ、サービス(HERE SDK)の企画、開発、提供。

– パイオニアの「PIONEER RIDE CONNECT SDK(仮)」の企画、開発、保守の支援
– OEM、商用フリート、損害保険向けのパイオニア二輪車向け車載デバイスおよび関連ソリューションサービスの共同マーケティング、販売支援

 

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スケジュールとロードマップ
2025年1月7日から米国ラスベガスで開催されるCES2025のパイオニアブース(LVCC, West Hall – 3528)にて当該ソリューションを初公開する予定。併せてイベント展開でも二輪車技術とコネクテッドモビリティの未来に対する両社のビジョンを提示すると共に、今後共同で開発を進め、2026年中の本格導入を目指す。

 

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両社のコメントは以下の通り

 

パイオニア株式会社 執行役員 事業開発・戦略パートナーアライアンス担当 種澤 成治
このたびのHEREとの協業により、二輪車ユーザー向けに新たな体験を提供できることを大変嬉しく思っています。車載デバイスとHMIの豊富な開発実績を持つ当社は、二輪車向けコネクテッドサービス、AI活用ソリューションのR&Dを推進しており、2023年には二輪車最大市場のインドに研究開発拠点を新設し、商品・サービスをタイムリーに開発してグローバルに提供する体制を構築しています。今後、両社でイノベーティブなモビリティソリューションを提供できると確信しています。

 

HERE Technologies副社長兼アジア太平洋担当部長 ディオン・ニューマン(Deon Newman)
HEREは、この革新的なソリューションを二輪車ライダーの皆様に提供するため、パイオニアと協業できることをとても嬉しく思います。HEREの優れた位置情報技術とパイオニアの革新的なユーザーエクスペリエンスにより、ライダーの皆様に新しい接続性と安全性を実現します。このパートナーシップは、全てのライダーに向けたコネクテッドモビリティの普及に向けた大きな一歩です。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。