総合人材サービス、パーソルグループにおいて技術系エンジニアリング事業を手掛けるパーソルR&Dと、「空飛ぶクルマ」および「物流ドローン」を開発するSkyDriveは5月31日 、「空飛ぶクルマ」の2023年度の事業開始に向け、サポーター契約を締結したと伝えた。
「空飛ぶクルマ」とは、正式名称を「電動垂直離着陸型無操縦者航空機(eVTOL: electric vertical take-off and landing)」といい、空を介して人を運ぶモビリティを指す。電動化、完全自律の自動操縦、垂直離着陸が大きな特徴だ。
モビリティ分野の新たな動きとして、世界各国で空飛ぶクルマの開発が進んでおり、日本においても2018年から「空の移動革命に向けた官民協議会」が開催され、都市部でのタクシーサービス、離島や山間部の新たな移動手段、災害時の救急搬送などにつながるものとして期待されている。今後に向けては、経済産業省・国土交通省により、2023年度の事業開始、2030年の本格普及に向けたロードマップが制定されている。
今回のサポーター契約では、SkyDriveはパーソルR&Dから部品割引や工数提供という形で支援を受けながら、両社で空の産業革命をともに創造していくプログラムを進行していく。
すでにパーソルR&DはSkyDriveの「物流ドローン開発プロジェクト」に参加の経験があり、初期段階より開発試験・スピーディーな開発をサポートしてきているが、今回は、2023年度に予定されている「空飛ぶクルマ」の事業開始を見据え、2021年4月に「サポーター契約」を結び、パーソルR&Dの航空機開発のスペシャリストがSkyDrive社に出向、エンジニア間の協業をすることとなった。
両社では、航空機開発のバックグラウンドを持つスペシャリストが互いに知見を持ち寄り議論し、「空飛ぶクルマ」の機体仕様の最適化をさらに加速することで、「誰もが空を飛べる」エアモビリティ社会の実現を目指していくとしている。
両社の担当者からのコメントは以下の通り。
◾️パーソルR&D株式会社より出向のスペシャリスト
「2021年4月より、SkyDrive様で「空飛ぶクルマ」に関わる事業の技術営業を担当しています。元々、航空機メーカーで3C (Customer, Competitor, Company) に関する情報収集、分析といった業務を行っていましたので、その経験を最大限に生かしてSkyDrive様のエアモビリティ事業の開始をご支援いたします。自身の航空機開発の技術知見を生かし、SkyDriveの皆さまと一緒にコストと性能のバランスが取れた機体仕様を考え、受注獲得に貢献できるよう尽力してまいります」
◾️パーソルR&D 礒田 英嗣 代表取締役社長
「この度は「空飛ぶクルマ」という夢のあるプロジェクトに弊社エンジニアが参画できることとなり、大変光栄に思います。弊社が培ってきた航空機開発の技術知見と、自動車の機械設計や電気電子開発、制御開発の知見で、当プロジェクトの成功、および「誰もが空を飛べる」エアモビリティ社会の実現に少しでも貢献できることを期待しています」
◾️SkyDrive 福澤 知浩 代表取締役CEO
「この度は、航空宇宙・自動車分野の専門エンジニアの集うパーソルR&D様に、エアモビリティ社会を実現するサポーターとしてご支援いただけることとなり、大変ありがたく思います。パーソルR&D様のエンジニアの方々には、これまでも「物流ドローン」の開発において多大な貢献をしていただきました。「空飛ぶクルマ」のプロジェクトにおいても弊社社員と一緒に事業開発を進めてくださることになり、非常に心強いです。両社の航空機開発のスペシャリストが協業することによってどのような新しいアイデアが出てくるのか、これからが楽しみです」