パナソニックITSは9月19日、北海道室蘭市の協力を得て、タクシーと連携した、MaaS(Mobility as a Service)の有償実証実験をショッピングモールMORUE(モルエ)中島などの提携店舗で、10月16日~12月15日(土日祝日を除く)で実施する。
なお同実証実験は、経済産業省北海道経済産業局「令和5年度北海道の地方都市におけるタクシー共通配車システムの有効性及び他産業との連携や新制度の導入による利用促進モデルの事業性調査・分析事業」を受託して行われる。
そもそもパナソニックITSと室蘭市の両者は、高齢者を中心としたクルマを持たない地域住民の移動の利便性向上や、人材不足に悩む交通事業者の課題解決のために、室蘭MaaSプロジェクト「いってきマース」を2020年より推進してきた。
ただ、これまでは無償条件下での実証実験を段階的に実施してきており、今回は室蘭市内のタクシー事業者や飲食店、小売店の協力のもと、正式サービス開始に向けた2段階実験の第1弾として初のタクシーと連携した有償の実証実験を実施することになった(第2弾実験は2024年に実施予定)。
今回の実証では、タクシーの稼働率・利用満足度などの計測を行う。またSNSや、各種メディアを通じたPRにより、エンドユーザーである地域住民の認知向上を目指す。
予定されている実証実験の内容は以下の通り
室蘭市内のショッピングモールMORUE中島をはじめとした提携店舗や実験参加者の自宅周辺で、有償実証実験を実施する。
今回より、正式サービスインに向けて自立的で持続可能な「収益モデル」の検証のため、実際の運用状況に近い条件下でタクシーの稼働率、実験参加者の満足度、タクシー事業者及び連携する小売・飲食事業者の収益増加率などを計測していく。具体的な検証ポイントは以下で記述。
・車両の一元管理および最適、効率的な配車実現に向け、実証に協力して貰える全タクシー事業者に共通の管制システムを導入する。
・小売店や飲食店の集客向上のため、提携店舗の買い物額に応じ、タクシー運賃に充当可能な割引クーポン(以下、クーポン)を発行する。
・タクシー利用閑散期における稼働増のため、稼働率の低い時間帯はクーポンの割引率を上げて利用料を下げるなど、疑似的なダイナミックプライシングを導入する。
・実証実験参加者の自宅から電話での予約、あるいは提携店舗に設置した予約用タブレットから配車予約を行う。
・SNSや、各種メディアによるPRで、広く地域住民から実証実験参加者を募集する。