パナソニックは6月28日、SBIインベストメントと共同運営するベンチャーキャピタルファンド( 通称:パナソニックくらしビジョナリーファンド )を通じて、インド国内で小型EVモビリティ向けのバッテリースワッピング( 充電済蓄電池の貸出・交換 )サービスを展開するアップグリッド ソリューションズ社( Upgrid Solutions Pvt. Ltd / サービスブランド:Battery Smart )への出資を決めた。
このパナソニックとSBIインベストメントによる投資ファンドは、2022年7月の設立以降、都合7社のスタートアップ企業へ出資してきたが、インド国内のスタートアップ企業への出資は今回が初。
目下インドのモビリティ市場は、2輪・3輪の小型EVが大半を占め、同マーケットとしては中国と並び世界最大規模に成長している。そうしたなかで、バッテリースワッピングサービスは、タクシー、フードデリバリー、ロジスティクス、フリート用として使われる小型EVをターゲットに、車両価格の2割~4割にもなるバッテリー自体をサービス化( 電気の入れ物としてバッテリーそのものを貸し出す )することで、庶民の車両購入時の初期費用を抑えることができる。
また本来は無駄なEVの充電待ちの時間を、稼働時間に置き換えられるビジネスモデルとして当地で期待されている。また旧来のガソリンエンジン車と比較した場合でも、バッテリーの交換サービスを利用する小型EVの運用コストは、むしろガソリンエンジン車を利用するよりも安価になるとされている。
※インドEV市場調査報告書( JETRO:2022年4月 )https://www.jetro.go.jp/world/reports/2022/02/8118fe569d9e9671.html
そもそもパナソニックは、平素より主力業務として配線器具や照明などの電気設備、またEV向けの充電設備をマンションや商業施設向けに展開しているため、今回出資するアップグリッド ソリューションズ社への働き掛けを介して、2輪など小型EVへの事業ノウハウを蓄積。新たなサービス創設の原資をしていきたい考えだ。
そこでパナソニックの郷原邦男CVC推進室 室長は、「当社は、1972年にインドで事業を開始し、現在は家電の他、太陽光パネルやEVチャージャー等のビジネスを行っています。この出資を通じて、小型EV向けバッテリースワッピングサービスで成長著しいBattery Smart( アップグリッド ソリューションズ社 )とビジネス連携の検討を進められることを嬉しく思います」と述べた。
対して出資を受けるアップグリッド ソリューションズ社( サービス名:Battery Smart )の共同創設者 兼務 最高経営責任者のプルキット クラーナー氏は、「パナソニックと提携して、電気自動車を誰もが利用しやすく手頃な価格にするという当社の使命を推進できることを嬉しく思います。
同社の投資は大きな前進であり、革新的な電気自動車ソリューションとしてのバッテリー交換に対する世界的な信頼の高まりを反映しています。パナソニックの持続可能な人間中心の技術に関する豊富な専門知識を活用して、当社の事業拡大を加速し、ソリューションを強化し、インド全土でのプレゼンスを強化していきたいと考えています」と応えている。
会社名:Upgrid Solutions Private Limited( ブランド名 Battery Smart )
代表者:Pulkit Khurana( プルキット クラーナー )
所在地:Pioneer Urban Square, Tower C, Sector-62, Gurugram, India – 122102
設立:2019年11月19日
事業内容:2輪3輪向けEV向け、バッテリー交換サービス
URL:https://www.batterysmart.in/