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2024年2月15日【ESG】

パナソニックエナジー、米・電池材料調達戦略でNMGに出資

坂上 賢治

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車載用リチウムイオン電池材料で北米からの現地調達戦略を加速

 

パナソニックエナジー( PE / 本社:大阪府守口市、取締役社長:只信一生 )は2月15日、カナダの負極材メーカーNouveau Monde Graphite Inc.( NMG / 本社:ケベック州サンミシェルデサン、社長:エリック・デソルニエ )への出資を発表した。

 

この投資は、北米当地からの天然黒鉛の調達で、NMGと協議を進めていたなかに於いて、出資決定と共に7年間のオフテイク契約( 長期供給契約 )を締結したこによるもの。出資額は25百万米ドル。

 

また別途、三井物産( 本社:東京都千代田区、社長:堀健一 )も自社で保有していたNMGの転換社債に代えて25百万米ドルの株式を取得。その後、共同出資者と共に出資者間で合意した出資比率について、上限150百万米ドル相当の後続出資も検討しているという。

 

鉱山採掘から負極材加工までの一貫調達により、低環境負荷を実現

 

なおパナソニックエナジーでは、「当社は世界規模で拡大するEV需要に応えるべく、北米地域で車載電池の生産拡大を進めると共に、材料の現地調達比率の向上を含む持続可能なサプライチェーンの構築に取り組んでいます。

 

そうしたなかでNMGとは、先の2022年10月にオフテイク契約に係る覚書を締結していたことから、その後、北米エリアでの黒鉛一貫生産事業に向け、当社の製品仕様と品質基準を揃える最適化作業の進捗状況を勘案してオフテイク契約の締結に至りました。

 

そのNMGは、同社保有のケベック州のマタウィニー鉱山で採掘された黒鉛を精製し、同州ベカンクールにある電池材料工場で負極材を生産する〝鉱山から材料まで〟を一貫して担う負極材メーカーであり、北米での現地調達比率向上を目指す当社にとって理想的なパートナーです。

 

多様なパートナーシップを介して炭素中立現に向けた取り組みを加速

 

また、カナダでは電力の再生可能エネルギー由来比率が高く、同鉱山のあるケベック州では供給電力の 99%を再生可能エネルギーが占めています。

 

環境負荷の低いNMGの黒鉛材料を活用することは、北米での電池サプライチェーンの強靭化という意味だけでなく、2030年度にカーボンフットプリントを2021年度比で半減するという当社の目標に向けて重要な意味を持ちます。

 

日本とカナダの両政府は、 2023 年 9 月に蓄電池のサプライチェーンに関する協力覚書を締結しています。二国間の協力関係が強化される中、世界第2位の新車販売数を誇る米国を含む北米市場に於いて、EVの航続距離向上を実現する高品質かつ高容量な電池を生産・提供することで、当社は世界のEV普及に貢献します。

 

同時に、電池開発・製造の優れた技術と豊富な経験で、今後もリチウムイオン電池業界の成長を牽引するとともに、 多様なパートナーシップによりゼロエミッション実現に向けた取り組みを加速していきます」と話している。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

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経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

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株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。