パナソニックと地図情報サービス等の事業を行う中国の「北京四維図新科技股份(NavInfo Technology/以下、四維図新)」は、7月29日、中国における新エネルギー商用車(*)向けのソリューション事業を行う合弁会社を設立することで合意した。
合弁会社では、中国宅配業者に対して新エネルギー商用車の運用を支援するためのソリューションを提供し、物流、特に都市内配送での新エネルギー商用車の普及を目指す。
合弁会社は今後、関係当局の支援・協力を得ながら諸手続きを進めた上で、正式に設立される予定。
近年中国では、eコマースの急速な発展に伴い、国内の物流・都市内物流事業が急速に発展。統計では、中国国内の都市内物流は1.6兆元の市場があるものの、使われる車両のうち新エネルギー車の割合は5%と低く、将来の成長余地は非常に大きいと見られている。また政府の推進政策もあって、2021年以降、新エネルギー商用車をベースにした都市内物流市場の更なる拡大も予想されている。
両社は、中国での新エネルギー商用車のさらなる普及を加速するため、パナソニックの電池状態推定技術と、四維図新の提供する中国の地図情報サービスを掛け合わせ、新エネルギー商用車の運用を支援するソリューション事業の創出に挑戦していく。
*純電気自動車やプラグインハイブリッド車、燃料電池車などを含む、非従来型のエネルギーによって駆動する自動車を商用に使っているもの。
パナソニックと四維図新による合弁会社の設立合意に際して、パナソニックのモビリティソリューションズ担当参与の村瀬恭通氏は、以下のように話している。
「スマートモビリティおよび地図情報サービス分野において、中国で最も信頼されているリーディングカンパニーの一社である四維図新と合弁会社を設立し、中国のお客様へのお役立ちに挑戦できることを嬉しく思います。
パナソニックの電池状態推定技術と組み合わせることで、クリーンな新エネルギー車をより経済的で便利なものにし、社会の発展に貢献し続けます」。
また、四維図新のCEOである程鵬氏は、以下のように話している。
「世界有数の家電メーカーであるパナソニックがモビリティソリューションに取り組むことにより、エレクトロニクスや部品など100年来のシステム開発力や運用サービス力を、未来の移動に関わるコアな領域に生かすことができます。
四維図新の位置情報商材や車両ネットワークサービスがパナソニックとのシナジーを創出し、合弁会社を通じて新エネルギー商用車や電気物流産業の発展に寄与することを期待しています」。
パナソニックと四維図新は、コア技術を持ち寄って中国スタンダードの新エネルギー商用車向け運用ソリューションを開発し、その提供を通じて新エネルギー商用車を活用した都市配送のオペレーションコストを削減し、効率化を実現するとしている。
[合弁会社の概要]
– 社名:
日本語:パナソニック四維モビリティサービス北京有限会社(仮)
中国語:松下四維出行服務(北京)有限公司(仮)
英語:Panasonic NavInfo Mobility Service(Beijing)Co., Ltd.(仮)
– 事業内容:
中国における新エネルギー商用車向けソリューションの企画、開発、販売、運営。
– 所在地:中華人民共和国 北京市
– 資本金等:3000万元
– 出資構成:パナソニック株式会社:51%、北京四維図新科技股份有限公司:49%
– 役員構成:パナソニック株式会社:3人、北京四維図新科技股份有限公司:2人
– 設立年月日:2020年10月(予定)
[会社概要]
<パナソニック モビリティソリューションズ>
– 社名:パナソニック株式会社 モビリティソリューションズ
– 責任者:村瀬 恭通
– 設立:2019年1月
– 所在地:東京都千代田区有楽町1-1-2 東京ミッドタウン日比谷14階
– 事業概要:
創業以来、生活の”リアル”に向き合ってきたその視点を家の中から人の生活圏まで広げ、人のくらしを起点に「移動」のあり方を見つめなおす。
<四維図新>
– 社名:北京四維図新科技股份有限公司
– CEO:程 鵬
– 設立:2002年
– 所在地:中華人民共和国 北京市
– 事業概要:
2002年設立。中国ナビゲーションマップ業界のパイオニアとして、ナビゲーションマップ、ナビゲーションソフトウェア、動的交通情報、位置ビッグデータ、乗用車や商用車向けの車両ネットワークソリューションの分野を牽引。近年では、自動運転マップ、高精度ポジショニング、クラウドサービスプラットフォーム、ADASおよび自動運転用の車載半導体などのコアビジネスにも取り組んでいる。
■四維図新(英語):https://www.navinfo.com/en/