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2025年3月28日【イベント】

大阪メトロ、空飛ぶクルマの発着ポート施行セレモニーを開催

坂上 賢治

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2025年大阪・関西万博でSkyDriveが飛び立つデモフライトの離着陸場に

 

大阪市高速電気軌道( Osaka Metro/大阪メトロ )は3月28日、スカイドライブ( SkyDrive社 )の空飛ぶクルマ「SKYDRIVE( SkyDrive式SD-05型 )」が大阪・関西万博(2025年 日本国際博覧会)でデモフライトを行う発着施設「大阪港バーティポート」を遂に完成させた。そこで、これを受けて報道陣を募り同日・大阪市港区海岸通に於いて、大阪市と3者共催で竣工セレモニーを開催した。

 

2025年3月28日に「大阪港バーティポート」で行われた竣工セレモニーの様子

 

同セレモニーには、大阪・関西万博のメインキャラクターのミャクミャクを筆頭に、公益社団法人2025年日本国際博覧会協会 企画局長の河本健一氏。SkyDrive代表取締役CEO福澤知浩氏。大阪市高速電気軌道で代表取締役社長を務める河井英明氏。大阪市副市長の高橋徹氏。内閣官房内閣審議官で国際博覧会推進本部事務局次長の西海重和氏。国交省 大阪航空局長の石井靖男氏が参加・登壇した。

 

大阪市高速電気軌道 代表取締役社長の河井英明氏

 

SkyDrive代表取締役CEOの福澤知浩氏

 

なおバーティポートの施設は、空飛ぶクルマの整備や補給、待機などを行う格納庫、空飛ぶクルマの離着陸面、顔認証チェックインから搭乗まで待機できる旅客施設がある他、オンデマンドバスやシェアサイクルなどのモビリティとの結節点となる機能も備えた施設となっている。

 

大阪港バーティポート全体

 

バーティポート(空飛ぶクルマ離着陸場)

 

格納庫

 

旅客施設

 

さて、これまで「大阪港バーティポート」の完成を精力的に進めてきたOsaka Metroは、地下鉄およびニュートラムの9路線を広域運営。大阪をより快適な街にしていくべく都市型MaaS構想「e METRO」を掲げて鋭意活動してきた。

 

そんな「e METRO」では、多種多様な顧客ニーズに対応するよう様々なモビリティを一元的に提供したいという構想を温めて続けている。そうしたなかで空飛ぶクルマも、空路を利用する新たな移動手段のひとつだと位置付けている訳だ。

 

一方でSkyDriveが開発した空飛ぶクルマ( SKYDRIVE / SkyDrive式SD-05型 )は、短距離~中距離をスピーディに移動できるよう設計されていることから、既存の都市の移動手段と組み合わせることで新たな移動ニーズに対応できる。加えて極めてレジャー性が高いことから既存のモビリティ( 地下鉄、バス、オンデマンドバスなど )とは全く異なる特性も持っている。これらを踏まえたOsaka Metroは、自社構想に立脚したモビリティのベストミックス構想の「e METRO」に適していると判断。結果、先の2024年8月にSkyDriveと業務提携契約を締結した。

 

今回の「大阪港バーティポート」の開設にあたっては、大阪・関西万博を控えていた2024年1月に大阪市が実施した「空飛ぶクルマの会場外ポート事業者」の公募に、Osaka Metroが応募・選定され、それ以降、大阪市港区(中央突堤)で施設の整備を進めてきた。

 

いよいよ開催間近となってきた大阪・関西万博( 期間:2025年4月13日 〜 2025年10月13日 )では、SkyDriveの空飛ぶクルマが万博会場内ポート「EXPO Vertiport」と「大阪港バーティポート」の二地点間を運航する予定だ。

 

なお「大阪港バーティポート」の名称は、最寄り駅となるOsaka Metroの地下鉄駅名「大阪港」と、空飛ぶクルマの離発着場の呼称(バーティポート)を掛け合わせたもの。2025年大阪・関西万博を切っ掛けに、バーティポートという名称が広く社会に浸透していくことに大阪市も、Osaka Metroも、SkyDriveも期待を込めているという。

 

実施された竣工セレモニーでは「大阪港バーティポート」の完成を記念し、登壇者からバーティポートへの期待等が語られた。また2025年大阪・関西万博でデモフライトを行う空飛ぶクルマ「SKYDRIVE( SkyDrive式SD-05型 )」のフルスケールモックアップも初公開し、詰め掛けた報道陣が機体内外の印象を観察・体験した。

 

今後は、「大阪港バーティポート」が利用できるようになり、2025年大阪・関西万博が開幕となる2025年4月中旬以降からは多彩なイベントが開催・消化されていく。

 

それらは具体的には、空飛ぶクルマ開発までの歴史パネルの展示、顔認証チェックイン、待合室待機、搭乗という空飛ぶクルマの一連のシームレスな搭乗手続き体験できるイベントなどとなる。これらの参加は2025年4月中旬以降、同イベントの公式ホームページからの予約が可能となる見込み。加えてバーティポート近隣地域で開催されるイベントに合わせて、気軽に愉しめる空飛ぶクルマに関わる催しも予定されている。

 

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名称 :大阪港バーティポート( 英語表記:OSAKAKO Vertiport )
所在 :大阪府大阪市港区海岸通1丁目105番5地内及び地先
面積 :約12,000㎡
土地所有者 :大阪市
整備管理者 :大阪市高速電気軌道株式会社(Osaka Metro)
主な保有設備 :バーディポート( 空飛ぶクルマ離着陸場 )、旅客施設、格納庫、充電施設( 今後予定 )、消火設備、風向指示器、モビリティポート( オンデマンドバス・シェアサイクル )、駐車場

 

イベント公式サイト:https://advanced-air-mobility.osakametro.co.jp/

 

 

<以下参考>

* 空飛ぶクルマとは:電動化、自動化といった航空技術や垂直離着陸などの運航形態によって実現される、利用しやすく持続可能な次世代の空の移動手段。諸外国では、Advanced Air Mobility( AAM )や Urban Air Mobility( UAM )と呼ばれている。
*関連引用元:国土交通省( 空飛ぶクルマの運用概念 / 令和6年4月付 ):https://www.mlit.go.jp/koku/content/001739488.pdf
*大阪・関西万博の空飛ぶクルマの各社検討状況( 2024年9月26日現在/具体的な実施は不透明 )
https://www.expo2025.or.jp/wp/wp-content/uploads/20240926-1-siryou1.pdf

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

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1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

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日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

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株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

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1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。