ホテル従業員の送迎稼働削減しつつ、観光宿泊客の利便性向上を実現
恩納村オンデマンド交通(利用者が予約したニーズに応じて柔軟に運行する乗り合い型の公共交通サービス)推進コンソーシアムによる「恩納村内オンデマンド交通」の運行実証事業(内閣府による令和6年度の新たな沖縄観光サービス創出事業補助金事業)が来たる12月1日から始動する。
なお同コンソーシアムの構成メンバーは、一般社団法人恩納村観光協会、西日本旅客鉄道(JR西日本)、REA、NTTコミュニケーションズ(NTT Com)の4者。その目的は、ホテル従業員の送迎稼働削減をしつつ、観光宿泊客の利便性向上も実現させることで、当地に於ける観光消費額の増大を求めていくというもの。
<観光客向け「恩納村オンデマンド交通」のイメージ>
実施の背景には、沖縄県北西部に位置する恩納村が県内屈指のリゾートホテルが林立する人気観光エリアである一方で、ホテルや交通結節点(異なる交通手段が相互に連結する乗り換え拠点を指す)から観光地や飲食店などへのアクセスで利便性に欠けている点がある。そこで観光宿泊客自らがスマートフォンを活用して、回遊・周遊性が高い新たなオンデマンド交通の活用手段を提供する。
また、この際、目的地までの経路が直ぐに判る経路案内も併せて提供することで、レンタカーに依存せずとも便利な移動環境を完成させていきたい考えだ。その結果、恩納村内に於いて、オンデマンド交通が全ての移動ニーズの受け皿となる世界を目指す。
<配車予約システム(AI配車計算)>
<経路検索プラットフォーム>
さてより具体的な実証概要としては、JR西日本およびREAが提供する配車予約システム(AI配車計算)を活用してオンデマンド交通を運行。これにJR 西日本が提供する移動生活ナビアプリ「WESTER」の経路検索プラットフォームとオンデマンド交通を連携させることで、目的地までの最短時間での移動経路案内を提供する。
- (1)観光宿泊客自身で「WESTER」やオンデマンド交通の予約サイトにアクセスし、ホテルや観光地までの経路検索やオンデマンド交通の予約・利用ができるようにする。一方で観光宿泊客は、ホテル従業員による送迎などを利用せずに移動ができ、利便性を向上させる。
- (2)観光宿泊客が利用しやすいように、ホテルのホームページや観光地を案内するアプリなどとも連携。観光宿泊客が目に触れる機会を多くし、オンデマンド交通の利用を促進させていく。
- (3)ホテル従業員による送迎がオンデマンド交通に置き換わることで、送迎稼働を削減。観光宿泊客が宿泊するリゾートホテルへ送迎関連業務の稼働状況のヒアリング調査を行い稼働削減効果を検証する。稼働削減では課題となるポイントについて定量分析、課題分析を行い、実証事業全体へフィードバックをしていく。
<実施期間・料金>
実施期間:2024年12月1日から12月31日まで
料金:無料
<オンデマンド交通の予約・利用申し込み方法>
2024年11月25日より、当該URLから予約・利用申し込みができる。
<今後の展開>
今後4者は、ホテル従業員の送迎関連業務の削減効果の検証や有償化を行い、本実証事業の3年以内の収益化を目指す。併せて実証事業を収益化させることで、沖縄の観光産業を活性化。更には「観光×ICT」プラットフォームの実現による観光立国への貢献を図っていく。また、今後、観光宿泊者向けのみならず住民向けオンデマンド交通も別事業にて検討していく予定としている。
<各社の役割>
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恩納村観光協会:
本コンソーシアムの統括
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JR 西日本:
移動生活ナビアプリ「WESTER」の経路検索プラットフォームの提供
配車予約システム(AI 配車計算)の提供
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REA:配車予約システム(AI 配車計算)の開発
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NTT コミュニケーションズ:
本実証事業の全体管理
オンデマンド交通におけるプロジェクトマネジメント
顧客体験設計
本実証事業のプロモーション
地域交通事業者への運行委託