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2024年11月21日【MaaS】

「沖縄・恩納村内オンデマンド交通」運行実証事業を開始

坂上 賢治

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ホテル従業員の送迎稼働削減しつつ、観光宿泊客の利便性向上を実現

 

恩納村オンデマンド交通(利用者が予約したニーズに応じて柔軟に運行する乗り合い型の公共交通サービス)推進コンソーシアムによる「恩納村内オンデマンド交通」の運行実証事業(内閣府による令和6年度の新たな沖縄観光サービス創出事業補助金事業)が来たる12月1日から始動する。

 

なお同コンソーシアムの構成メンバーは、一般社団法人恩納村観光協会西日本旅客鉄道(JR西日本)、REANTTコミュニケーションズ(NTT Com)の4者。その目的は、ホテル従業員の送迎稼働削減をしつつ、観光宿泊客の利便性向上も実現させることで、当地に於ける観光消費額の増大を求めていくというもの。

 

<観光客向け「恩納村オンデマンド交通」のイメージ>

 

実施の背景には、沖縄県北西部に位置する恩納村が県内屈指のリゾートホテルが林立する人気観光エリアである一方で、ホテルや交通結節点(異なる交通手段が相互に連結する乗り換え拠点を指す)から観光地や飲食店などへのアクセスで利便性に欠けている点がある。そこで観光宿泊客自らがスマートフォンを活用して、回遊・周遊性が高い新たなオンデマンド交通の活用手段を提供する。

 

また、この際、目的地までの経路が直ぐに判る経路案内も併せて提供することで、レンタカーに依存せずとも便利な移動環境を完成させていきたい考えだ。その結果、恩納村内に於いて、オンデマンド交通が全ての移動ニーズの受け皿となる世界を目指す。

 

<配車予約システム(AI配車計算)>

 

<経路検索プラットフォーム>

 

さてより具体的な実証概要としては、JR西日本およびREAが提供する配車予約システム(AI配車計算)を活用してオンデマンド交通を運行。これにJR 西日本が提供する移動生活ナビアプリ「WESTER」の経路検索プラットフォームとオンデマンド交通を連携させることで、目的地までの最短時間での移動経路案内を提供する。

 

  • (1)観光宿泊客自身で「WESTER」やオンデマンド交通の予約サイトにアクセスし、ホテルや観光地までの経路検索やオンデマンド交通の予約・利用ができるようにする。一方で観光宿泊客は、ホテル従業員による送迎などを利用せずに移動ができ、利便性を向上させる。

 

  • (2)観光宿泊客が利用しやすいように、ホテルのホームページや観光地を案内するアプリなどとも連携。観光宿泊客が目に触れる機会を多くし、オンデマンド交通の利用を促進させていく。

 

  • (3)ホテル従業員による送迎がオンデマンド交通に置き換わることで、送迎稼働を削減。観光宿泊客が宿泊するリゾートホテルへ送迎関連業務の稼働状況のヒアリング調査を行い稼働削減効果を検証する。稼働削減では課題となるポイントについて定量分析、課題分析を行い、実証事業全体へフィードバックをしていく。

 

<実施期間・料金>
実施期間:2024年12月1日から12月31日まで
料金:無料

 

<オンデマンド交通の予約・利用申し込み方法>
2024年11月25日より、当該URLから予約・利用申し込みができる。

 

<今後の展開>
今後4者は、ホテル従業員の送迎関連業務の削減効果の検証や有償化を行い、本実証事業の3年以内の収益化を目指す。併せて実証事業を収益化させることで、沖縄の観光産業を活性化。更には「観光×ICT」プラットフォームの実現による観光立国への貢献を図っていく。また、今後、観光宿泊者向けのみならず住民向けオンデマンド交通も別事業にて検討していく予定としている。

 

 

<各社の役割>

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恩納村観光協会
本コンソーシアムの統括

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JR 西日本
 移動生活ナビアプリ「WESTER」の経路検索プラットフォームの提供
 配車予約システム(AI 配車計算)の提供

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REA:配車予約システム(AI 配車計算)の開発

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NTT コミュニケーションズ
 本実証事業の全体管理
 オンデマンド交通におけるプロジェクトマネジメント
 顧客体験設計
 本実証事業のプロモーション
 地域交通事業者への運行委託

 

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

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経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。