オムロンは、中国の製造現場における旺盛な自動化需要に応え、制御機器の生産を担うオムロン上海有限公司(中国上海市)に、第1工場に続き、第2工場(OMS第2工場)を増設する。
中国では、製造現場の人件費高騰や人手不足が深刻化し、製造現場の自動化が急速に進行。また、政府主導の「中国製造2025」の下、製造現場のスマート化に向けた自動化や省人化投資として、制御機器や産業用ロボットの需要が拡大し続けていると云う。
オムロンは、これらの需要を捉え、OMS第2工場を増設。2020年度時点で、中国で、2017年度比2倍の生産能力を確保し、中国を中心にグローバルに需要の高まり続ける光電センサーや近接センサーなどのファクトリーオートメーション用制御機器を増産する体制を構築する。
また、第1工場内には、産業用ロボットの生産ラインを新設し、拡大する中国の産業ロボット市場に対応する生産体制を整える。
同社は、「中国製造2025」の節目となる2025年を見据え、ロボットや制御機器の供給を担保できる最適な生産能力を確保すると共に、自らも人件費高騰などの影響を吸収する高い柔軟性と生産性を持つ、生産ラインを構築するとしている。
また、OMS第2工場を、オムロンが目指すモノづくり現場を革新するコンセプト“i-Automation!”のモデル工場と位置付け、中国に生産工場を有する製造業各社に課題解決策を提示することで、「中国製造2025」の実現に貢献し、中国市場における事業のさらなる拡大を目指すとしている。
[オムロン上海有限公司第2工場の概要]
投資総額:10億円(建物改修 4億円 設備投資 6億円)
工場規模:延床面積 9,102m²(*第1工場 14,612m²)
生産能力:月産170万台(2020年度時点のセンサー本体の生産数)
生産品目:主力センシング機器(各種光電、近接センサー等)
稼働開始時期:2018年7月
[i-Automation!” について]
オムロンは、ファクトリーオートメーション用の画像処理センサーなどの入力機器から、各種コントローラー、サーボモーターなどの出力機器をはじめ安全対策機器、産業用ロボットまで幅広い機器を有し、これらをソフトウェアで組み合わせた独自のオートメーション技術を世界中の製造現場に提供。
現在、こうした技術と機器群をベースに、3つの”i”、「integrated(制御進化)」、「intelligent(知能化)」、「interactive(人と機械の新しい協調)」からなる戦略コンセプト”i-Automation!”を掲げ、製造業のモノづくり現場の革新に取り組んでいる。